それにしても中華飯店から牛めし店への転換はやや飛躍している。なぜなのか? 担当者に尋ねると「たまたま読んだ雑誌に牛丼のようなものが載っていて、ひらめいたようです。中華料理店は職人を雇う必要があり、苦労が絶えなかった。牛めしなら一人でできるのではないかと。近くにラーメン店ができたこともありました」と回答。店の周辺には大学があり、昼間は大学生向けにぱっと出せるもの、夜はサラリーマン向けにバランスのいい定食ものを、との考えから、牛丼と定食という今のスタイルが生まれた。
回転ずしは関西発祥
今や「回らないすしを知らない子供がいる」といわれるほど普及した回転ずし。発祥の地は大阪だ。
考案者は東大阪の「元禄寿司」を始めた白石義明氏。きっかけはビール工場で見た風景だった。ベルトコンベヤーを流れるビール瓶を見て、すしを回そうと思い立った、と語り継がれている。最初の回転ずし店は1958年。今からほぼ半世紀前のことだ。
「スシロー」「無添くら寿司」も大阪生まれ。合理性と娯楽性を兼ね備えた回転ずしは、考えてみればいかにも関西らしい。
どの店も同じ味、同じ構えのチェーン店。画一的といわれることもあるが、日本の食文化の一翼を担ってきたのは間違いない。1号店の物語は、日本の食の歴史でもある。
1号店物語、次回はコーヒーチェーンやファミリーレストランを取り上げる。
(電子報道部 河尻定)
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