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マクドナルドに幻の1号店 外食店発祥の地を歩く 東京ふしぎ探検隊(6)

2011/7/15

■モスは成増、フレッシュネスは渋谷の住宅街

日本橋高島屋にあるロッテリア1号店は今も現役だ

銀座を皮切りに出店攻勢をかけるマクドナルドに対して、ライバルとなったのがロッテリアだ。創業は72年9月。マクドナルドが銀座に出店してほぼ1年後、日本橋に1号店を出した。三越に出店したマクドナルドに対して、ロッテリアは高島屋。どちらも住所は東京都中央区だ。

マクドナルドが100店に達したのが76年。ロッテリアは翌77年には100号店を出した。1号店から数えると、ほとんど同じペースで出店していたことになる。両社はその後も200号店、300号店、400号店と出店を競う。それはハンバーガーが日本人の間に浸透していく過程でもあった。ちなみにロッテリアの1号店は、日本橋高島屋北別館の1階に現存する。

70年代前半は、チェーン店が次々と生まれた時代でもあった。その1つ、モスバーガーは72年に東京都板橋区の成増で産声を上げた。「東京の中心」でハンバーガー戦争が繰り広げられているなか、なぜ成増なのか? 運営するモスフードサービスに創業の経緯を尋ねると、「ほとんど偶然なんです」との答えが返ってきた。

板橋区成増には東京・池袋と埼玉県の和光市、川越市などを結ぶ東武東上線の駅がある。創業者の桜田慧氏は当時和光市に住んでいた。証券会社を辞めて起業した桜田氏には資金が乏しく、たまたま見つけた物件が、成増駅近くにあるショッピングセンターの地下だったという。

1972年に1号店としてオープンしたモスバーガー成増店(当時、モスフードサービス提供)
モスバーガー1号店の現在の様子。昨年改装した

まずはここに実験的に店を出し、反応を探った。次いで中野ブロードウェイの2階に2番目の実験店を出店。その上で同年6月、現在成増店がある場所に正式な1号店を構えた。当時ここは青果店の倉庫だったという。マクドナルドのハンバーガーが当初80円だったのに対して、看板メニューの「モスバーガー」は120円でスタートした。

創業者の桜田氏は岩手県大船渡市の出身。最初の成増の実験店がオープンしたのは72年3月12日だった。モスフードサービスではこの日を「モスの日」としていて、今年の記念日には大船渡の新聞社から評伝が出版される予定だった。東日本大震災の影響で一部の書店では販売ができなかったという。こうした縁もあり、同社では避難所でハンバーガーを無料配布するなどの支援活動を行っている。

モスの1号店には「SINCE1972 1号店 成増店」と書かれた金色のプレートが飾ってある。店内には開店時の写真とともに「ここ成増の地でモスバーガーは生まれました」と書かれた看板も。特別なメニューはないが、創業地は今も強く意識されている。

フレッシュネスバーガー1号店は渋谷駅から徒歩15分。今も開店当初からの姿で営業している

低価格競争とは一線を画す「フレッシュネスバーガー」は、1号店の立地も独特だ。渋谷区富ケ谷にある店舗は渋谷駅から歩いて15分、しかも住宅街にある木造の一戸建てだ。広報担当者によると、元はある劇団のけいこ場だったといい「何をやっても商売にならない」といわれるほど人通りの少ない場所だった。そこを栗原幹雄社長が気に入り、開店。92年12月のことだった。現在も富ケ谷店として営業している。炎天下、15分も歩くのはつらかったが、創業時の雰囲気を残す1号店は「フレッシュネスらしさ」を醸していた。

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