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日本のカレーはなぜジャガイモを入れるのか

2013/3/15

■決め手は保存性 海軍カレーが普及の起爆剤に

市販のカレールーは「ジャガイモ入り」が前提。パッケージにもジャガイモの写真が

徐々に使われ始めたジャガイモだが、まだ定番食材ではない。どうして「三種の神器」とまで呼ばれるようになったのか。

「海軍のメニューとして取り入れられたのが大きかった」。カレー総研の井上所長は歴史を振り返る。「ジャガイモとタマネギ、ニンジンは保存性があり、長期の航海にも耐えられる。これらを使った作り方が軍隊経験者を通じて全国に広まり、家庭で作るカレーの定番となった」

家庭では当たり前となったジャガイモ入りカレー。ただし好みは分かれるようだ。「煮崩れすることでまろやかになると好む人と、味が薄くなると嫌がる人がいる」(エスビー食品)

地域差もある。東日本では煮崩れしやすい品種「男爵」が中心だが、西日本では煮崩れしにくい「メークイン」が好まれる。このため西日本出身者の中には煮崩れに対して敏感に反応する人が多いという。

カレーの種類も影響する。エスビー食品では「ディナーカレー」のパッケージに記載するレシピにジャガイモを使っていない。「欧風カレーはソースそのものを味わうのが商品コンセプト」だからだという。確かに、欧風をうたう専門店のカレーにもジャガイモは入っていないことが多い。インドカレーも同様。やはりジャガイモを入れるのは日本風のようだ。

■定義バラバラ 「新ジャガ」とは何か

九州産の新ジャガをはじめ、様々な品種が店頭を彩る(東京都内のスーパー)

カレーの材料を買おうとスーパーに出向くと、「新ジャガイモ」が大量に陳列されていた。この新ジャガ、分かっているようで具体的に何を指すのか実はよく知らない。改めて専門家に聞いてみた。

尋ねたのは元北海道立農業試験場職員で数多くの品種を世に出したジャガイモのスペシャリスト、浅間和夫さん。現在は「ジャガイモ博物館」というサイトでジャガイモ情報を発信している。

「新ジャガの定義は地域や業界で違います。春先に出回るのは九州産で、完熟前のものが多い。やや小ぶりで皮がまだしっかりしていなくて、みずみずしいのが特徴です。北海道の新ジャガは6月から夏場にかけて出てきます。早いものは男爵ではなくワセシロなどの品種が多い。北海道の場合、皮がしっかりしてから出てくるので、貯蔵性に優れています」

浅間さんによれば、未熟なジャガイモはデンプンになっていないグルコース(ブドウ糖)が多い。つまり、ホクホク感は出にくいが、甘みが強い。光に当たると緑化しやすく、えぐみが出る。早めに食べた方がいいという。

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