【韓国業界人に聞く K-POPの原動力とは】

映像で音楽は国境の外へ ネットを使って速さの勝負

CJ E&M Japan音楽事業チーム ベ・ソンミン部長。日本に留学後、韓国で音楽制作業務に携わり、現職。『MCountdown』ほか動画をmnet.comで配信中。

2007年以降、韓国で過熱し、2010年に日本に飛び火したK-POPブームを支えてきたのが、韓国の音楽番組だ。日本やシンガポール、タイ、中国、米国、フランスなど、世界20カ国(視聴カバー人口19億人)に向けて音楽番組を放送しているCJ E&M。その日本支社で音楽事業を率いる、ベ・ソンミン部長にK-POPはなぜ、世界で受け入れられているのかを聞いた。

1997年、韓国はいわゆる“IMF危機”という国家的な経済危機に陥りました。そこで政府は、国の経済を再建するための国家戦略を立てたのですが、その一つの柱が、文化産業の振興だったんです。

国内各地の大学に、それまでには無かった、実用音楽科(コンテンポラリー音楽を教える専門学科)や映像学科がたくさんできまして、これらを教える専門学校もたくさん設立されました。その学生たちが今、韓国の音楽や映像の世界の第一線で活躍しているわけです。結果的に、経済危機で国が方針を絞ったことが、今のK-POPブーム、ドラマブームの下支えになったといえるかもしれませんね。

こうした時代背景以外に、K-POP自体が持っている音楽的な特徴も、ブームの広がりに大きな影響を与えていると思います。K-POPは、ダンスの魅力と、分かりやすいサビ、ノリの良さが重視されていて、歌詞で聴かせる歌ではありません。その結果、K-POPは、共通の言語を持たない、アジア、欧米の人々にも楽しんでもらえています。

音楽に言葉の壁はない

現在、当社製作の音楽番組は、世界20カ国で放送されており、字幕が無いライブ中継と、字幕が入った録画番組を放送していますが、視聴者の数はそれぞれ半々くらいで、変わりません。ネット時代ですから、ファンが求めているのは、何より情報の早さです。

日本のアニソンやビジュアル系バンドも海外で活動していますが、日本語で歌っていますよね。海外進出というと現地での言葉の壁が問題になりがちですが、エンタテインメントにおいては、それほど大きな障壁ではないと思います。

(日経エンタテインメント! 白倉資大)

[日経エンタテインメント!2012年9月号の記事を基に再構成]