初詣の振る舞い、「神社」と「お寺」はここが違う

明けましておめでとうございます。さて、あなたが初詣に行くのは神社か、それともお寺か。この2つの祈願の作法は混同しがち。正しい作法で心清らかに心願成就を願い、新年を祝いたい。

まずは「初詣」のルーツを知る

宮中には、年が明けて最初に行われる行事として「四方拝(しほうはい)」がある。天皇が伊勢神宮を遥拝(ようはい)し、四方の神々を拝むという儀式だ。平安時代には既に恒例で、当初、庶民もその慣習にのっとり正月を迎えていたが、徐々に消滅。皇室祭儀として現在に伝わった。

「神社」の参拝でやってはいけない三カ条

庶民が正月をイベント視するようになったのは、江戸時代以降のこと。もともとは、大みそかの夜から元旦にかけて行われる「年籠もり」という行事である。家長は氏神の社に籠もり、夜を徹して1年間の感謝を伝え、新年の無事と平安を祈願。いつしかこれが大みそかの「除夜詣」、元旦の「元旦詣」に分かれ、元旦詣が神社における初詣の直接的な由来となる。

現在は、初詣にだけ行くという簡略化したパターンが主流だが、正式には大みそかの儀式「大祓(おおはらえ)」で1年分の罪、穢(けが)れを祓い、正月に初詣を行うところまでが一連の流れ。初詣だけになる場合は、昇殿祈祷(きとう)を受けるといい。祈祷は修祓(しゅうふつ)もセットなので、より新たな気持ちで新年に臨めるはず。祝詞(のりと)の声にも、すっと身が引き締まる。

散策して締めくくるとなおよし。「境内にはいい気が満ちています。それを取り込めば運気が上がり、心願成就にも効果的。深呼吸して悪い気を吐き出して、空気と一緒にいい気を吸い込みましょう」(寒川神社教学部長の水谷智賢さん)。

「お寺」の参拝でやってはいけない三カ条

一方、お寺での初詣の起源は、768年か、827年に初めて開かれたという「修正会(しゅしょうえ)」。新年の到来を祝し、その年の吉祥を祈るのが目的だ。会の目玉となるのは祈祷。したがって、関東三山(成田山新勝寺、高尾山薬王院、川崎大師平間寺)のような祈祷を重んじる真言宗寺院では、実に平安時代から、大規模な「修正会」が開催されてきたとされる。

しかし、お寺も神社同様、時代を経るごとに参詣者層が庶民に拡大。祈祷の内容も、国家安穏、五穀豊穣(ほうじょう)といったスケールの大きなものから、家内安全、合格祈願といった個人的なものまで、かなり多様化していった。つまり、生活に密着した現世利益が多く含まれるということなのだが、このあたりの事情に関しては、神社とお寺とで共通しているように思える。

時代が変わり、人々の願望も大きく変わった。それにもかかわらず、前述の関東三山は、今も相変わらず初詣の人出ランキングで上位をキープしている。つまり、祈祷を重視しているとして評判の寺院には、今も昔も多くの人が集まるということだ。いつの世も人々は仏様に声を聞いてもらいたいと思っている証拠なのかもしれない。

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