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働く女性多いスウェーデン 背景に主婦の地位の低さ スウェーデンから見る日本 高見幸子

2013/10/25

OECDの発表によると、女性の就業率が80%を超えるスウェーデン。女性議員の比率も45.0%と、日本の衆議院における女性議員の比率11.3%を大きく上回っています。女性が広く活躍するスウェーデンで40年近く暮らす筆者。現地での経験を生かし、日本の生活がさらに豊かになるためのヒントを、日本の女性からの質問に答える形で、一緒に考えます。
質問
先日、「東京都が認可保育所の面積の最低基準を下げて、待機児童の入所を促す方針を出した」という記事を読みました。この緩和案が採用されたら、都内で保育園に入れる子どもは増えますが、子どもたちがあまり望ましくない環境におかれることになりそうです。
私は現在、育児休業中で、保育園を探しているところです。けれど、子どもに健全に育つ環境を与えられなければ、仕事をやめて子育てに専念することも考えなければいけないのではないかと思っています。つまり、子どもをかわいそうな状況においてまで働く必要があるのかと、とても迷っています。
スウェーデンの女性が働き続けるモチベーションとなるものは何なのでしょう?(36歳 育児休業中、子ども1人)

■今の日本はスウェーデンが30年前に直面した状態

日本の女性が、なぜ子どもをかわいそうな状況においてまで働く必要があるのかと疑問に思うのは、とても率直なご意見で、議論する必要がある大切なテーマだと思います。そこで、なぜ、スウェーデンの女性が、働くことにこだわってきたのか考えてみたいと思います。

スウェーデンも、30年前までは、日本と同じように、保育システムが整っておらず、子どもはかわいそうな状況にありました。そのため、母親たちも苦しみました。しかし、なぜ、専業主婦に戻らなかったのか、いや戻りたくなかったのかというと、社会が女性の労働力が必要だったという理由のほかに、3つあると思います。

■スウェーデンでは、主婦に社会的な地位がなく 働くことを選んだ

誰も自分のしていることに誇りを持ち、社会に認められたいと思っています。日本では、「専業主婦」というと社会的に立派な役割を果たしていることがある程度認められています。つまり、日本の主婦が家庭でする仕事を価値あるものとして社会が評価しています。ところが、スウェーデンでは、Hemmafru(家にいる婦人)という言い方をしますが、社会はHemmafruを評価してきませんでした。

その理由は、歴史にあります。スウェーデンでは、日本のように、夫が給料を妻に渡し、妻が家計の管理をするという習慣がなかったのです。スウェーデンの夫は、家の経済的な権限を女性に渡すことはしませんでした。

主婦は、無報酬で家事、育児をする女性にすぎず、社会的な地位もなく、男女間の不平等への不満が女性の間に高まったのです。そして、今では、男女が平等に家事・育児をシェアすることが当然だというオピニオンになっているのです。

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