天然のサプリメント「大豆」、いま再評価される理由 日経BPヒット総研 黒住紗織

エンターテインメント、トレンド、健康・美容、消費、女性と働き方をテーマに、ヒット案内人が世相を切るコラム「ヒットのひみつ」。いまを象徴するキーワードから、話題の理由、面白いワケなど、「ひみつ」を明らかにします。今回のヒットワードは「大豆のパワー再発見」。有効成分の「損失を防ぐ食べ方」と、より「効かせる」商品が登場しています。

長寿国・日本を支える食生活を考えるとき、絶対にはずせないのが大豆の存在。欧米に比べ、日本で乳がん患者や更年期障害が少ないのは大豆消費量が多いおかげ――。こうした研究が進み、「健康食材」として広く知られるようになって久しい大豆。最近そのパワーを“再発見”する製品エビデンスや事例が相次ぎ登場、再び大豆への注目度が高まっている。主な2つの事例を紹介しよう。

「丸ごと」食べられて、栄養価・うまみの損失が少ない「蒸し大豆」

アミノ酸スコアは100、ビタミン、ミネラルも豊富、栄養素的に足りないのはビタミンCくらいのもの――。「天然のサプリメント」といわれるほど、栄養価の評価が高い大豆。実は栄養面だけでなく、(1)丸ごと大豆なら野菜以上に効率よく食物繊維がとれる、(2)大豆たんぱくには、メタボの原因となる内臓脂肪を減らす作用を持つβコングリシニンという成分が多く含まれ、女性の健康維持に役立つ大豆イソフラボンなど、大豆ならではの機能性成分が含まれる点でも、“有用成分の宝庫”と言っていい。

人気急上昇中の「蒸し大豆」 (写真:松本祥孝)

こうした豊富な有用成分を、なるべく損失させず、より多く食べるにはどうしたらいいのか――。そこで人気急上昇しているのが「蒸し大豆」だ。蒸し大豆製品の千人当たりの金額でみた市場拡大率は、5年前の2009年に対して425%、2013年に対し、1月から4月までの4カ月ですでに138%の伸びだという(KSP-POS調査)。

食物繊維まで丸ごととれるものといえば、納豆や水煮大豆もあるが、納豆は食べるシーンが限定される。一方の水煮は、調理用の食材という点で同等に思われがちだが、実は水に有用成分が溶け出て減ってしまっているのだ。そこで「蒸し大豆」というわけだ。

市場でのトップシェアを持つ「蒸し大豆」「納豆」「水煮大豆」製品の100グラム中に含まれる栄養素を調べた結果が表1。「水煮大豆」と比べ、栄養素や健康成分の量は「蒸し大豆」が多いのが一目瞭然。たとえば、大豆イソフラボンは1.26倍、ストレス緩和効果のあるギャバは7.67倍、塩分調節に役立つカリウムは2.57倍、脂質代謝に働き、ダイエットに欠かせないビタミンB1やB2は1.56倍、1.8倍という具合。

身近な大豆製品 100グラム中に含まれる栄養素はどれくらい?
蒸し大豆水煮大豆納豆
たんぱく質15.5g11.4g15.9g
ビタミンB10.14mg0.09mg0.08mg
ビタミンB20.09mg0.05mg0.23mg
ビタミンE1.4mg1.3mg1.2mg
ビタミンK9μg8μg759μg
カルシウム81.0mg110mg84.9mg
マグネシウム107mg62mg94.0mg
2.52mg2.09mg2.55mg
カリウム704mg274mg699mg
食物繊維6.7g6.7g7.1g
大豆オリゴ糖1.42g0.79g-
レシチン572mg575mg864mg
ギャバ23mg3mg2mg
葉酸76μg44μg160μg
イソフラボン78mg62mg51mg

表1 日経POSでのトップ商品での比較(データ:日本食品分析センター)