「視聴率男」堺雅人の確かな演技を堪能~リーガルハイ

2013年はドラマの当たり年と言われるなか、初回視聴率21.2%(関東)という秋ドラマ2位での発進となった『リーガルハイ』(フジテレビ系)。夏に『半沢直樹』で社会現象を巻き起こした堺雅人が、勝つためなら手段をいとわないくせ者弁護士にふんしている。シリアスな社会派ドラマだった『半沢直樹』から一転、異様なテンションの主人公が繰り広げる法廷コメディーだ。

今期は、2012年4月期に続くシリーズ。早口でまくし立てて相手をやり込める弁護士・古美門(こみかど、堺)と、彼の下で働く新米弁護士・黛(新垣結衣)が、次々と逆転勝訴を収める姿は、回を重ねるごとにドラマファンの間で評判となった。昨年の平均視聴率は12.5%だったものの、「ギャラクシー賞」をはじめとする数々の受賞歴がそのクオリティーの高さを物語っている。

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「弁護士モノ」はドラマの定番ジャンルだが、出発点はそこではなかったとフジテレビのプロデューサー、成河広明氏は明かす。

「大前提にあったのはコメディー。悪態つく傍若無人な男がわさわさ動くドラマを作りたかった。もっと言えばシットコムを職業物でやりたくて、よくしゃべる職業だからということで弁護士になりました」

古美門は、腕はあるが子供っぽく、偏屈でジコチュー、お金も女性も大好きという男。堺を起用したのは、演技力はもちろん、本人が持つ雰囲気も大きかったと話す。

「どんなに悪態をついて、わがままで拝金主義の男でも、堺さんだと、どこか品格が漂う。それが説得力につながる。視聴者を笑わそうとしてやっていないところも大事なポイントです」(成河氏)

底の浅いコメディー芝居を見て、シラけた経験は誰しもあるはずだ。『リーガルハイ』もひとつ間違えれば、お寒くなりかねない演出だが、世界観がちゃんと成立していることについてはこう説明する。

「視聴者を笑わすことを目的にドラマを作ったら、それはドラマではなくコント。『リーガルハイ』においては、古美門がスキップをするのも“そういうことをする人”なだけ。劇中では“現実”だから、黛も平然と受け止めています。日本はコントのレベルが高くて視聴者の目も肥えているから、コメディードラマはなかなか根付かないと思っていますが、笑いのためのあざとい演技はしていないですね」(成河氏)