女性アイドルグループ、ファン獲得へ「フェス」「無料イベント」急増日経エンタテインメント!

【ケーススタディー】 私立恵比寿中学のモールツアー

2カ月でモールイベント20回、“CD予約大作戦”の舞台裏

私立恵比寿中学(しりつえびすちゅうがく) 2009年に結成。2010年2月にインディーズデビューし、6枚のシングルをリリース。ももいろクローバーZの妹分としてTIF(TOKYO IDOL FESTIVAL)などにも出演。5月5日に「仮契約のシンデレラ」でメジャーデビュー。現在は9人組として活動中。

アイドルがデビュー時や勝負シングルを発売する際、最近しばしば行うのがリリース前の「予約会イベント」だ。ライブを無料で見られるほか、CDを1枚「予約」するごとに、握手などの特典を付ける。発売前に予約数を積み重ねて、初週にチャート上位を狙う。

5月5日にシングル「仮契約のシンデレラ」でデビューした私立恵比寿中学を見てみよう。「スプリングデフスターツアー」と銘打った一連のイベントは3月4日のラゾーナ川崎からスタート。「人気の場所なので、デビューから逆算したこの日を数カ月以上前に押さえていました」(スターダスト・プロモーションの藤井ユーイチ氏)。

以降、毎週日曜日に各所で2回ずつイベントを行う予定だったが、出だしでつまずく。3月11日と18日の集客が悪天候などもあって、極端に落ちたのだ。「飽きられたのではないか」という不安から、イベントは各日1回に。その分、ステージの時間を長くし、選曲や演出を工夫するようにしたという。

“2回行く”が予約会の鉄則

例えば3月25日は、4月から高校生となるメンバーの「卒業しない会」をサプライズで開催。すべてのイベントに個別のタイトルをつけるなど、「ファンに繰り返し来てもらえるよう意識した」(藤井氏)。会場でCDの予約票を書くわずらわしさを避けるため、PDFファイルの書式をサイトに用意しておくなど、細かい点にも気を配った。

順調に客足は回復し、迎えたCD発売週には8日間連続でイベントを敢行。ポイントはCDが店に届く「店着日」以降、それまでに回ったのと同じ場所に行くこと。ツアー前半にイベントを開催した店で予約したCDを受け取ってもらうための“再来店戦略”だ。結果は2.0万枚を売り上げ、週間チャートで7位に。トップ10入りという、当初の目標を達成した。

「仮調印式」からメジャーデビューまでの軌跡

(ライター 矢口紗)

[日経エンタテイメント!2012年7月号の記事を基に再構成]

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