女性アイドルグループ、ファン獲得へ「フェス」「無料イベント」急増日経エンタテインメント!

会場が大きくなると、アイドルと直にコミュニケーションできるという魅力は薄くなるが、各グループとも、それを演出でカバーしている。3月のAKB48のさいたまスーパーアリーナ公演では、3日間のセットリストが大幅に異なった。ももいろクローバーZの横浜アリーナ2daysに至っては、1日目は通常ステージだったのを、2日目はセンターステージに変更するという離れ業を演じた。

ここでも、会場を大きくしてより広い層に見てもらうとともに、普段のライブとは違う、その1回しか体験できない限定感を明確にすることで、コアファンの関心をも引き付ける両面作戦が取られている。一見さんにアピールしてファンを広げつつ、いつもCDを買ってくれる常連さんも離さない…これがアイドルライブの基本戦略といえそうだ。

SNS向きな女子アイドル

なお、会場の大規模化と合わせ、地方を回るツアーも増えている。今年4月から、AKB48が47都道府県すべてを回るツアーを行っているほか、アイドリング!!!、SUPER☆GiRLS、風男塾などが初めて全国ツアーを開催する。

一方、地方ではAKB48にならって常設劇場で活動をするアイドルグループが目立つ。また、メジャーデビューしたばかりのグループも、「定期公演」と銘打って連続性とテーマ性を打ち出したライブを行う例が多い。こうした公演ではパフォーマンス後に握手会などを行うのが一般的。まずはコアな“常連さん”を固めるためのイベントが定期公演の役割なのだろう。

こうした様々なタイプの“会える”イベントが盛況なことについて、「今のアイドルファンは足を運んで体験したことをブログやツイッターで発信し、ネット上で交流するのを楽しんでいる」と、アイドル横丁の鈴木プロデューサーは言う。ネットでは、ファン同士のコミュニティーが形成されており、その輪に入って発言するには、自らも実際にイベントを見るしかない。しかも、「アイドルライブは、出演者のかわいいさとか一生懸命さとか魅力が分かりやすい。ファンも語りやすいので、ソーシャル時代にマッチしたコンテンツだと思う」(鈴木氏)。アイドルとファンだけでなく、ファン同士でも交流できることが、アイドルライブ人気の一因といえるようだ。

また、生で会える機会が増えたことで、「最近はファンの目も肥え、本当に応援しがいがあるアイドルかどうかを見ている。単にかわいいだけで、本気さや必死さがなければすぐに見抜かれ、飽きられる」と、ライブアイドルのフェスを多く企画するポニーキャニオンアーティスツの出田智彦氏は指摘する。会える時代のアイドルは、パフォーマンス力に加え、ファンに正面から向き合える人間性までが問われるのかもしれない。

エンタメ!連載記事一覧
注目記事
次のページ
“2回行く”が予約会の鉄則
エンタメ!連載記事一覧