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多い出張、少ない有休 世界で異質な日本人の「働き方」

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NIKKEI STYLE

 頻繁な出張、毎日何度も設定されている会議、なかなか取れない有休や育休…。日本人の働き方を目の当たりにして驚く海外のビジネスパーソンは少なくありません。日本人の働き方は、世界とどこが違うのか、今後はどうなるのか…。キャリア開発の研究・コンサルティングの専門家である高橋俊介さんに聞きました。

あなたは、ご自身の働き方をどう思っていますか? 実は世界の中でも日本人の「働き方」はかなり変わっています。例えば、出張や会議の多さは日本企業に特有のものです。

東海道新幹線があれだけの頻度で走行していて、平日の利用者の多くがビジネス客であると知ると、欧米の人は非常に驚きます。東京本社の人が大阪支社との間を1週間に3往復するなんてことも珍しくないわけです。

あるいは、企業における年次有給休暇の取得率も50%以下と、先進国の中では圧倒的に低いのです。日本人の働き方が生産性が低いと言われるのには、こうしたところにも理由があります。

一方で、日本では男性サラリーマンが地域社会や家事・子育てに主体的にかかわることが少ない現状があります。共働きであっても、家事と子育ては女性が主な担い手です。PTAも参加者のほとんどは女性なのが現実です。

ここまで極端な「分担」が行われているのは、世界的に見ても非常に珍しいことです。

ある雑誌が実施した夫婦の満足度調査によれば、満足度を左右するのは家事分担率以上に1週間のコミュニケーションの頻度だったと言います。非常に興味深かったのは、妻が専業主婦である夫は妻のことを「大切だ」と思う気持ちが強い半面、妻との会話時間はもっとも少ないという結果です。あまりに忙しくて家族と話す時間がないのでしょう。

欧米でも男女の役割分業はあります。ただ、「ローストビーフを切るのはお父さんの役割」「日曜大工はお父さんの役割」など、あくまで家庭生活の中での役割の振り分けが主です。

ところが、日本の場合は、家事や育児にそもそも「ほとんど関わらない」男性も珍しくありません。こうした分業が進んだのは大正時代以降のことです。明治時代までは、男性も育児や家事にもっと関わっていたと私は考えています。

分業が進むことによる弊害は、相手への感受性が鈍ることです。働く女性で第2子を産むことに躊躇する方の中には、第1子出産と育児の際に夫がほとんど精神的な支えになってくれなかったことに対するフラストレーションを理由に挙げる方が少なくありません。

もう一つ、日本人の働き方で特殊なのは、会社側が働く場所、働く時間、働く内容に関して大きな裁量権を握っているということです。「転勤」が分かりやすい例ですね。使用者(会社)側が圧倒的に強い力を持っている。その代わり、正社員を雇用することの責任は重く、終身雇用と言われるような安定した雇用が提供されました。こうしたシステムが日本の高度経済成長、特に製造業を支えたのです。

しかし、時代は変わりました。今は製造業ではなく、サービス業が産業の中心です。大きな工場で大量に製品を生産していた時代に比べ、雇用の絶対数は減っています。

先日、「大卒女子の内定率が男子を上回った」というニュースが話題になりましたが、これは女子の採用が多い医療や介護分野の求人が伸び、男子の就職が多い製造業の求人減が影響したと見られています。ITビジネスもサービス業ですし、顧客の視点に立ち、臨機応変に対応しないといけないというケースは今後も増えてくるでしょう。女性ならではの感受性や気配りを必要とする職場は今後も増えてくるはずです。

このような産業構造の変化を受けて、働き方も変化します。これまでは、働く場所、時間、仕事の内容も会社側の裁量に委ねる代わりに雇用の安定が保証された正社員と、雇用は不安定なものの、働き方を限定できる非正規社員という二極化が起こっていました。

しかし。2013年4月1日に労働契約法が改正され、パートでも通算5年以上勤務していれば、申し込んで無期労働契約に転換できることになりました。これはこれからの雇用にあり方に大きな影響を与えます。また、2016年からはパートタイマーの雇用保険の適用範囲も拡大されます。これまで週30時間の勤務が必要でしたが、20時間で社会保険適用の対象になります

働く女性が増える中でも、育児や介護などと仕事との両立に直面する人たちが増えてきました。これからの将来、今までの正規と非正規という2つの対立軸に基づく働き方ではなく、その中間のような多様な働き方が生まれてくることでしょう。今、経営者、管理職、働く人たち、すべての意識に大きな変化が必要とされているのです。

この人に聞きました

高橋俊介さん
 慶応義塾大学大学院 政策・メディア研究科特任教授。東京大学工学部航空工学科を卒業後、日本国有鉄道入社。マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、世界有数の人事組織コンサルティング会社ワイアットカンパニーの日本法人(現タワーズワトソン)入社。93年~97年まで同社代表取締役社長。2000年より現職。著書に『キャリアショック』(ソフトバンククリエイティブ)、『自分らしいキャリアのつくり方』(PHP研究所)など。

(ライター 田中美和)

[nikkei WOMAN Online2013年7月17日付記事を基に再構成]

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