東京駅、中央線ホームなぜ高い 鉄路争奪戦の力学

山手線と総武・中央線、新宿駅で1号車の位置が逆に

ちなみに東京駅で1号車の位置をそろえたことによって、在来線の一部路線ではちょっとした「ズレ」が生じた。

舞台はJR新宿駅。15番線ホームにやってきた池袋方面行きの山手線(外回り)は、先頭車両が1号車だった。しかし向かいの16番線ホームに到着した中央・総武線各駅停車では、走る方向は同じなのに1号車は最後尾にあった。東京駅でそろっていたはずの並び方が、新宿駅で逆転しているのだ。新宿駅のホームで待ち合わせるときには、「1号車の前」よりも「先頭車両」とした方がいいかもしれない。

京葉線東京駅は成田新幹線計画の名残

東京駅と新幹線といえば、成田新幹線も外せない話題だ。東京駅と成田国際空港を30分で結ぶ路線で、1971年に計画が決まった。1976年の開業を目指していたが、沿線各地で激しい反対運動が起き、計画は凍結。一部で工事を進めたものの、実現しなかった。

空からみたJR東京駅。京葉線は左下に位置しており、他の路線からは離れている

東京駅ではどこに乗り入れる予定だったのか。「日本国有鉄道百年史」は「国鉄用地が利用でき、かつこれに至る都内ルートは道路下を利用できること等を勘案して、東京駅(鍛冶橋)に設置する予定」と記す。

鍛冶橋のすぐ近くには当時、東京都庁があった。現在の東京国際フォーラムだ。都庁からのアクセスも考慮されたのだろう。鉄道ライターの草町義和氏は「幻の成田新幹線をたどる」(『鉄道ファン』2008年8月号)の中で、「将来の新宿への延伸を想定していたため」と指摘する。皇居を避けて新宿に抜けるには鍛冶橋付近が最適と判断されたようだ。

新幹線乗り入れが計画されていた場所には現在、JR京葉線の地下駅がある。地上にある改札付近は天井が高く、ゆったりしている。これも新幹線用に確保された空間だったようだ。

2015年、北陸新幹線が金沢延伸 どうなる東京駅の「発着枠」

現在、東京―長野間を走っている北陸(長野)新幹線は2015年、金沢まで開通する予定だ。東京から金沢まで約2時間半と約80分の短縮が見込まれている。

大宮駅に入線した北陸新幹線用の新型車両「E7系」(2月7日、さいたま市)

長野から金沢まで7駅が新設され、主要駅だけに停車する列車は「かがやき」と命名された。多くの駅に止まる列車は「はくたか」、金沢―富山間を往復する列車は「つるぎ」と決まった。東京―長野間を往復する現行の長野新幹線型の「あさま」も存続することになった。

東京駅では4本の線路を東北・山形・秋田・上越・北陸(長野)新幹線が共用している。北陸新幹線の人気が高まれば、他の新幹線から「発着枠」を奪う可能性もある。限られた鉄路を巡る攻防は、どんなドラマを生むのだろうか。(河尻定)

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