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東京駅、中央線ホームなぜ高い 鉄路争奪戦の力学

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開業100年目を迎えた東京駅。丸の内側にある中央線のホームに立つと、2012年に復元した赤レンガ駅舎が目の前に見える。この中央線ホーム、他のホームと比べると1階分、高い位置にある。5面ある在来線ホームの中で、中央線だけなぜ高いのか。その理由を探っていくと、東京駅の歴史が見えてきた。

中央線ホーム、目の前に赤レンガ駅舎

東京駅・丸の内北口改札から駅構内へと入っていくと、目の前に長いエスカレーターが現れた。昇りきった場所が中央線ホームだ。1番線のすぐそばには赤レンガ駅舎が迫っている。ここまで駅舎に近いのも、考えてみれば不思議だ。

中央線はなぜ、これほど駅舎に迫っているのか。なぜここだけ高い位置にあるのか。経緯を調べてみた。

中央線ホームが現在の高い場所にできたのは、それほど古い話ではない。完成は1995年。それまでは、隣にある現3、4番線を使っていた。京浜東北線(大宮方面)と山手線内回りがあるホームだ。そこから丸の内側に新設したホームに移ってきたというわけだ。

3、4番線ホームなら、丸の内駅舎まで少し距離がある。1995年に現在の中央線ホームができるまでは、ここが1番端のホームだった。ここが端だということは、もとは余裕を持って設計されていたことが分かる。

中央線ホームの新設を機に、東京駅では大改造が始まった。5つあった在来線ホームがすべて、丸の内側に「引っ越し」したのだ。

例えば東海道本線は、それまで山手線と京浜東北線があったホームに移った。京浜東北線と山手線もそれぞれ1つずつ、丸の内駅舎に近いホームに移動していった。

では、移動により生み出された場所には何ができたのか。それが北陸(長野)新幹線。かつて東海道本線があった9、10番線ホームを新幹線用に改修した。中央線ホームの高架化は、北陸(長野)新幹線の東京駅乗り入れがきっかけだったのだ。

北陸新幹線が契機 ホーム不足で高架上に

東京駅に乗り入れるにはどうしても、もう1つホームが必要。しかしあと1つホームを増設するためには、丸の内駅舎を取り壊してスペースを生み出さなくてはならない――。

東日本旅客鉄道(JR東日本)が1999年にまとめた「北陸新幹線工事誌 東京乗り入れ工事」には、新幹線が乗り入れる場所をどうやって捻出するか、四苦八苦する過程が記されている。結局、駅舎保存を最優先し、ホームを重層化する案が打ち出された。それは、ホームを高い位置に新設するというアイデアだった。

どの路線を高架上に移設するか。候補となったのが中央線、東海道本線、京浜東北線・山手線ホームだった。

丸の内側に高架ホームを造ると、どうしても道路に少しはみ出してしまう。道路への影響を最小限に抑え、なおかつコストが低いのは中央線――。3案のうち、最適と判断されたのが中央線だった。こうして他のホームより8メートル高い位置に新たにホームが造られた。

東京駅の大工事、貴賓通路も地下に移動

中央線の高架化と在来線ホームの大移動は思わぬ副産物を生んだ。東京駅開業から80年間使われてきた「貴賓(きひん)通路」が、地下に移ったのだ。

1994年2月7日付の日本経済新聞夕刊によると、貴賓通路は丸の内と八重洲を結ぶ特別通路で、皇族や閣僚、国賓らが利用してきた。全長93メートル、幅5.5メートルで赤じゅうたんが敷かれ、豪華照明が取り付けられていたという。

当時の貴賓通路は丸の内南口から中央口へのコンコースを分断していたため、駅構内のスムーズな移動を妨げてきた。駅舎工事に合わせてこうした難点を取り除こうと、大部分を地下に移すことになった。前出の「北陸新幹線工事誌」も貴賓通路の地下化について触れている。

中央線の発着駅は東京駅ではなかった

ちなみにこの中央線、今は東京駅が発着駅となっているが、初めからそうだったわけではない。1912年から1919年までは万世橋駅が発着駅だった。現在の秋葉原駅の近くだ。

万世橋駅の駅舎は東京駅と同じく、辰野金吾設計のレンガ造り。当時周囲は繁華街としてにぎわっていたという。しかし1923年の関東大震災で大部分が焼失。1919年に中央線が東京駅まで開通したことでターミナル機能も東京駅に移り、1943年に駅は休止となった。

駅の跡地には長らく交通博物館があったが、2006年に閉館。代わりにさいたま市に鉄道博物館がオープンした。そして昨年、階段など万世橋駅の遺構を活用した商業施設、「マーチエキュート神田万世橋」が開業した。

東京発の新幹線、東海道の1号車は先頭 東北・北陸は最後尾

1997年に東京駅に乗り入れた北陸(長野)新幹線。東海道新幹線に乗り慣れた人には、一瞬戸惑うことがある。東京駅を出発する下り列車の場合、東海道新幹線では先頭が1号車なのに、北陸(長野)新幹線では最後尾が1号車になっている。東北や上越新幹線も1号車は最後尾だ。1号車の位置が路線によって違うのだ。

気になったので在来線も調べてみると、中央線や東海道線、山手線などすべての地上路線で有楽町駅方面、つまり南側が1号車となっていた。何か理由があるのだろうか。

JR東日本に聞いてみたが、国鉄時代から続いていることで、理由は分からないとのこと。鉄道ジャーナリストの梅原淳さんは「その方が車両の管理がしやすかったのでしょう」と指摘する。

路線ごとに1号車の位置が違ってしまうと、他の路線に乗り入れたときに車両の号数を変更しないといけなくなる。「今と違って昔は『1』『2』などの号車札で何号車かを示していたので、変更には手間がかかる」といった事情もあるようだ。

東京駅を基準に南方向を1号車とするやり方は、国鉄時代は全国で採用されていた。しかしJR発足後、北海道など各地で1号車の位置を入れ替える動きが広がった。梅原さんによると、その多くは「下りの先頭車両を1号車」とする変更だったという。

ではなぜ東北・山形・秋田・上越・北陸(長野)新幹線では下りの最後尾が1号車のままなのか。

東北新幹線が大宮―盛岡間で暫定開業したのは1982年。当時はまだ国鉄時代で、それまでの法則が踏襲された。

JR各社が発足したのは1987年のこと。梅原さんは「号車番号を変えると各停車駅のホーム上の表示も変更することになり、手間とコストがかかる」と指摘する。加えて「東海道新幹線との将来的な直通運転も念頭にあったのかもしれない」とも。こうして1号車の位置はそのまま維持された。

山手線と総武・中央線、新宿駅で1号車の位置が逆に

ちなみに東京駅で1号車の位置をそろえたことによって、在来線の一部路線ではちょっとした「ズレ」が生じた。

舞台はJR新宿駅。15番線ホームにやってきた池袋方面行きの山手線(外回り)は、先頭車両が1号車だった。しかし向かいの16番線ホームに到着した中央・総武線各駅停車では、走る方向は同じなのに1号車は最後尾にあった。東京駅でそろっていたはずの並び方が、新宿駅で逆転しているのだ。新宿駅のホームで待ち合わせるときには、「1号車の前」よりも「先頭車両」とした方がいいかもしれない。

京葉線東京駅は成田新幹線計画の名残

東京駅と新幹線といえば、成田新幹線も外せない話題だ。東京駅と成田国際空港を30分で結ぶ路線で、1971年に計画が決まった。1976年の開業を目指していたが、沿線各地で激しい反対運動が起き、計画は凍結。一部で工事を進めたものの、実現しなかった。

東京駅ではどこに乗り入れる予定だったのか。「日本国有鉄道百年史」は「国鉄用地が利用でき、かつこれに至る都内ルートは道路下を利用できること等を勘案して、東京駅(鍛冶橋)に設置する予定」と記す。

鍛冶橋のすぐ近くには当時、東京都庁があった。現在の東京国際フォーラムだ。都庁からのアクセスも考慮されたのだろう。鉄道ライターの草町義和氏は「幻の成田新幹線をたどる」(『鉄道ファン』2008年8月号)の中で、「将来の新宿への延伸を想定していたため」と指摘する。皇居を避けて新宿に抜けるには鍛冶橋付近が最適と判断されたようだ。

新幹線乗り入れが計画されていた場所には現在、JR京葉線の地下駅がある。地上にある改札付近は天井が高く、ゆったりしている。これも新幹線用に確保された空間だったようだ。

2015年、北陸新幹線が金沢延伸 どうなる東京駅の「発着枠」

現在、東京―長野間を走っている北陸(長野)新幹線は2015年、金沢まで開通する予定だ。東京から金沢まで約2時間半と約80分の短縮が見込まれている。

長野から金沢まで7駅が新設され、主要駅だけに停車する列車は「かがやき」と命名された。多くの駅に止まる列車は「はくたか」、金沢―富山間を往復する列車は「つるぎ」と決まった。東京―長野間を往復する現行の長野新幹線型の「あさま」も存続することになった。

東京駅では4本の線路を東北・山形・秋田・上越・北陸(長野)新幹線が共用している。北陸新幹線の人気が高まれば、他の新幹線から「発着枠」を奪う可能性もある。限られた鉄路を巡る攻防は、どんなドラマを生むのだろうか。(河尻定)

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