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景気と女性アイドル、浮き沈みに意外な法則

2014/2/20

田中 雇用を重視する立場でいうと、失業率や有効求人倍率は改善しています。景気の回復は地方やパート雇用など弱い立場のところからまず表れてきます。僕は群馬県の上武大学で学生の就職担当をしているので実感できるのですが、学生の内定率は改善しています。雇用が回復すれば名目賃金を増やし、それが景気を上向かせるという考えなので、アベノミクスで景気は上向いているとみています。ただし、消費税率の引き上げは、景気の足を引っ張ります。この春にも追加の金融緩和は避けられないでしょう。

上野 私は賃金上昇が進んでいないことを重視しているので、アベノミクスの効果には懐疑的な立場です。企業は変動費的な賞与は引き上げても、固定費が膨らむ給与の上昇に慎重な立場を崩さないのは、先行きに不安があるためです。

 円安・株高の進行は米国の景気回復と欧州の債務危機が沈静したことで、リスクオンに変わったことが主因です。2007年から欧米の信用不安で待避的に円が買われましたが、FRB(米連邦準備理事会)やECB(欧州中央銀行)の施策で、その巻き戻しが2011年から始まりました。2013年の日銀の量的緩和はその流れを後押ししただけのことです。

 円安で収益が改善した企業もありますが、1ドル=110円を超える円安になると中小企業などはかえって厳しい状況に置かれます。前の白川方明総裁の時代から日銀の金融緩和には否定的な立場からいうと、今後、黒田東彦総裁がどのように量的緩和を収束させるのか気掛かりでなりません。

三井 リフレ派の田中先生は反論があると思いますが、アイドルの話題に戻ります。仮にアベノミクスで景気が回復すると、やはりアイドルには逆風なのですか。

田中 これまでの経験則ではそうなります。でもインドネシアのジャカルタで活躍するJKT48が現地で大人気なことを考えると、上野さんが言われたように海外に活路を開くことができます。

三井 私は今仕事でインドネシアを訪れる機会が多いのですが、日本のB級グルメに対する評価の高さに驚きます。米国でもラーメンが人気です。その流れからは、歌や踊りがいまひとつでも日本のアイドルが受け入れられる素地があるかもしれませんね。下手に現地化しようと考えずに、日本と同じスタイルで進出を図れば成功するかも。芸能事務所も戦略を練っているかもしれません。

田中 アイドルオタクの間で前から議論されているのが、AKB48をマネジメントするAKSの株式上場です。彼らの収益を試算しても、十分あり得るかなと勝手に思っています。

三井 仮に株主でないと行けないイベントが株主優待で付くとなると、多数のファンが株主になるかもしれませんね。芸能関係では以前、松竹や東宝を注目銘柄に挙げたことがありますが、それは東京オリンピックで不動産に注目した話。AKSが上場すると、本業の収益力で注目できそうですね。

(日経マネー 真弓重孝)

[日経マネー2014年3月号の記事を基に再構成]

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