マネー研究所

マネートレンド

景気と女性アイドル、浮き沈みに意外な法則

2014/2/20

三井 下着CMの話が出ましたが、AKB48は2010年8月に発売した「ヘビーローテーション」で、メンバー全員が下着の衣装でPVに登場しています。あれを見たときに、彼女たちはこれからどういう形で生き残りを図っていくのだろうかと思いました。

 これまでのアイドルグループを見ていると、人気が落ちてくるとセクシー路線に転換したり、ミュージカルや舞台に登場したりしています。彼女たちはどうするのでしょうか。

うえの・やすなり みずほ証券チーフマーケットエコノミスト。1963年青森県生まれ。85年上智大学文学部史学科卒業後、法学部法律学科に学士入学。86年に会計検査院入庁、88年に富士銀行(現・みずほ銀行)入行。為替ディーラーを経て、マーケットエコノミストに。2000年から現職。11年に「日経ヴェリタス」エコノミストランキングで第1位に。『「為替」の誤解』『虚構のインフレ』『世界一わかりやすい株式の本』など著書多数

上野 AKB48はアイドルの新しい形を作り上げているように見えます。アイドルは現実逃避の対象と述べましたが、彼女たちが取り組んでいることは総選挙や転籍、グローバル化(海外進出)と、まさに実経済を体現しています。

田中 転籍といえば、ももいろクローバーZがまだ路上ライブを繰り広げているような時期にメンバーだった娘がブレークする前に辞めて、あるグループに移ったのだけども、そこもブレークする前に辞めた、という例がありました。

三井 その娘が去ると人気が出る。

上野 マーケット用語でいうと「ネガティブインディケーター」みたいですね。その人が言うことと正反対のことをすると必ず勝てる(笑)。

三井 2013年にブームになったテレビドラマ「あまちゃん」でも、地方アイドルが取り上げられました。全国にはどれくらいのアイドルがいるのでしょうか。

田中 知り合いの新聞記者によると5000人を超えるそうです。

三井 それだけ人数が多いと競争が激しくなるので、ギャラは要らないから、ともかくメジャーデビューしたいという娘も出てきます。それは芸能界に身を置く立場としては、賃金デフレを助長する困った動きなのですが。

■デフレに対応したアイドルのビジネスモデル

田中 アイドルの多人数化は、少子高齢化と賃金が増えないデフレ時代に対応するためのモデルでもあります。人数が多ければ誰か好みの娘を見つけられる。1人ではファンが少なくても、大人数になれば、全体でファンの数が増える。また経営的にも1軍以外に2軍、3軍さらに研究生とグループの裾野を広げると、下位のメンバーからレッスン料を徴収することで、事務所の運営費を稼ぐことができます。

 一方で、三井さんが今おっしゃったように、グループの人数が多くなると1人当たりの稼ぎが薄まってしまう。その対応として、地下アイドルはインスタントカメラで1回500~1500円で生写真の撮影料を徴収して、生計の足しにしている例もあります。また所定の費用を払えば、自分の冠付きイベントを開ける例もあります。例えば1万円払えば「田中秀臣の○○ちゃんライブ」を開くことができる。

三井 大衆演劇の芸人さんがお客さんから心付けをもらうのと似ていますね。アベノミクスでは賃金の上昇が焦点になっていますが、アイドルの給与も上がるのでしょうか。その前にアベノミクスで景気は良くなっているのでしょうか。

マネー研究所新着記事

ALL CHANNEL