5000万円得をする お金がたまる家の節約術

年収の減少、税金と社会保険料のアップ、年金の減額……。こうしたマイナス要因が次々と家計を襲う中では、資産運用だけでなく、「節約」への取り組みが求められます。実際、「日経マネー」が調べたところ、「お金がたまる家」では、資産運用に優れているだけでなく、節約のワザも駆使していました。モデルケースを想定して試算すると、40歳から75歳になるまでの35年間で合計5000万円の節約が可能ということも分かりました。厳しい時代を生き抜くために、お金がたまる家の節約術を参考にしましょう。

「無駄なおカネは使わず、年収の4割は貯蓄や株式投資に回す。資産3億円を目指している」。ダークスーツに身を包んだシンクタンク勤務の男性(31歳)は、迷いなく言い切る。共働きで世帯年収1500万円、金融資産は2700万円。家賃13万円の賃貸マンションに住み生活費を抑える一方、旅行には年100万円使う。

家計は、男性が全てエクセルで管理。「おカネの心配なく自分の望む働き方を貫きたい。国の年金に頼らず老後資金も用意する」。

家計簿は主婦の役割。そんな常識が変わりつつある。「夫が経営視点で家計も運用もマネジメント。そんなお金持ち新世代が登場している」。家計の見直し相談センターの藤川太さんは言う。

こうした「家計&投資コンシャス」派とでも言うべき新タイプのお金持ちには、どのような特徴があるのだろうか。「日経マネー」は、2012年2月に「個人投資家調査」を実施した。その回答者を、「家計」と「投資」の2つの軸で4つのグループに分けたのが図1のチャートだ[注1]。「投資」と「家計管理」の2つの志向を兼ね備えた「家計&投資コンシャス」派は、全体の約16%いた。

図1 「家計」と「投資」への意向で見る個人投資家の4分類

投資だけでは不十分

この人たちに聞きました

行動経済学が専門の名古屋商科大学の岩澤誠一郎教授は、こう分析する。「投資にしか興味のない人の幸福度が低いのは、短期でおカネを殖やすことにのめりこみがちなため。一方、家計管理のみだと資産形成が進まず将来不安を抱える。投資も家計管理も行う人は、稼ぐ力がある上に、目標が明確だから幸せ度が高くなる」。

図1のチャートを見ると、投資熱心な人ほど、年収が高めで金融資産は多い。では同じ年収の場合、「家計」と「投資」への意識の違いで、資産形成にどう差が開くのか。ファイナンシャルプランナーの紀平正幸さんに試算してもらった[注2]。4人家族で年収800万円の男性会社員が3500万円の自宅を40歳で購入した場合、60歳退職時の金融資産は「家計&投資コンシャス」の人が最も多く3027万円。他の3グループはいずれも2000万円台で「家計コンシャス」が「投資コンシャス」を上回る結果となり、最も低いのが「どちらにも関心薄」となった。

[注1]「日経マネー」が2012年2月に実施した「個人投資家調査」(有効回答数6518人)の回答データを基に、「金融資産のうちリスク資産の割合40%以上」の人を「投資熱心」、「リスク資産の割合20%未満」の人を投資熱心ではないとした。また「毎月の生活費を把握している」「1カ月の家計予算を組んでいる」と答えた人を「家計コンシャス」として、回答者を4つのグループに分けた。それそれの回答者数の内訳は、「家計&投資コンシャス」が1069人、「家計コンシャス」は1048人、「投資熱心」は613人、「どちらにも関心薄い」は545人。平均年齢はいずれも45歳前後。
[注2]試算の前提条件は、以下の通り。貯蓄利率は0.5%、運用の年利回り2%。「家計コンシャス」と「家計&投資コンシャス」の2グループは、手取り収入の20%を貯蓄運用に回す。「投資コンシャス」「どちらも意識せず」の2グループは10%のみ貯蓄・運用。「家計&投資コンシャス」は、貯蓄の60%を運用に回すと仮定。いずれも40歳時点での貯蓄は1000万円
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