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ハチミツたっぷり!モロッコ菓子

世界のおやつ探検隊

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NIKKEI STYLE

 その昔、ヨーロッパの探検隊がアメリカ大陸で出会い虜となったのはポップコーンやチョコレートの素カカオ。いまも見知らぬ"おやつ"との出会いは、心ときめくもの。そこで、ナショジオではおやつ探検隊を結成! まずは、各国食材店やレストランがひしめく東京に潜む世界のおやつの制覇をミッションに掲げ、冒険を開始。どんな未知の味覚に出会うか、探検のはじまりはじまり~。

早速ですが、このお菓子、何で出来ているでしょう?

答えは、クスクス。日本でもレストランやカフェでよく見かける粒状のパスタの一種だ。日本ではクスクスは料理の材料だが、お菓子の材料としても使われるのが、この食材が生まれた北アフリカにある国、モロッコ(モロッコ王国)だ。

そう、今回はモロッコのお菓子のお話。話をしてくれたのは東京・西荻窪のモロッコ料理店「タムタム」の料理人、ムスターファ・ケニーバさんだ。

1年半ほど前、友人と一緒にオープンしたという「タムタム」は、日本にあるレストランとしては珍しく、アルコール類を一切出さない。モロッコはイスラム教の国で飲酒が禁止されているので、本来アルコールはご法度なのだ。「モロッコでも観光客向けにアルコールを出す店はあるよ」とムスターファさん。「でも、お酒が入ると料理の味を本当に味わってもらえないでしょ。僕は、モロッコの食べ物とその文化を、日本の人にちゃんと知ってもらいたいんだ」と言う。

さて、冒頭の写真は「スファ」と呼ばれるお菓子。蒸したクスクスを砂糖で甘く味付け、上から粉砂糖とシナモンパウダーをかけたものだ。「頂上に雪をいただいた富士山みたいでしょ?」と彼。日常的に食べるデザートではなく、お客さんを家に招いた時や結婚式などで出されるものらしい。「タムタム」では1人前の量で出しているが、本来は皿にこんもりと盛り、それを取り分けながら食べるそう。

近頃は、ドライフルーツを入れたものが多いようで「タムタム」のスファにも、干しブドウをはじめ様々なドライフルーツが入っていた。料理では食べ慣れたクスクスだけれど、甘いと聞いて少しおっかなびっくり。でも、口に入れてみると、これがなかなか美味しい。柑橘類のドライフルーツも入っていて、爽やかな味わいだ。

お店のメニューには、他に「バリール」というモロッコ風クレープがあった。ラマダン(断食月)やラマダン明けに行われるイード・アル・フィトルというお祭りの際によく食べるという。厚めのクレープをバターとハチミツと一緒に食べるのだ。食後のデザートとしてだけではなく、午前10時や午後4時ぐらいのお茶の時間にも食べるらしい。

「午前中にもお茶の時間があるんですか?」 と聞くと、「イスラム教徒は、早朝にその日最初のお祈りを捧げるので、朝食は朝の5時頃なんだ。その時には固形物はとらず、スープやコーヒーだけなんだよ」と教えてくれる。だから、10時頃にはその日2度目の"朝食"を食べるというわけ。

ちなみに、普段は「ムサンメン」と呼ばれる平たいパンや、「スフェンジ」という甘くないドーナッツをよく食べるそう。「スフェンジは、基本的に甘くない食べ物だけど、ハチミツと一緒に食べる人もいるね」と彼。

「ハチミツは高いから、現地では砂糖シロップにローズウォーターとサフランを入れて香りと色付けをしてハチミツもどきを作ったりもするんだ。そして、大切なお客さんのためには、ハチミツを使うんだよ」と教えてくれる。このハチミツに加えてスファに使われていたシナモンもモロッコスイーツの「要」となる食材だという。

ムスターファさんは、モロッコ南部の海辺の街アガディール近郊の村出身。アガディールはハチミツの名産地で、毎年5月には全国各地から人が集まるハチミツフェスティバルが開かれる。モロッコ産のハチミツは、ローズマリーやタイムといったハーブの花からとれたものが多いのだという。

さて、「タムタム」ではもう2つ、通常のメニューにはないお菓子を作ってもらった。「カーブ・ガザール」と「ブリワット」だ。

カーブ・ガザールは三日月形をした焼き菓子で、アフリカに生息する動物ガゼルの角という意味を持つ。粉砂糖がかかり、中にはアーモンドとハチミツ、バターを練って作ったペーストが入っている。これもラマダン明けのイードや結婚式などで食べるものらしい。

一方、ブリワットはアーモンドやピーナッツを使ったペーストをワルカと呼ばれる薄い紙のようなパイ生地で包んで揚げ、ハチミツに浸したもの。上には白ゴマがかかっている。こちらも、特別な行事の際のお菓子だ。

こうしたお菓子は、近隣に住む女性たちが集まり一緒に作るのだという。「お店でも売っているけど、絶対手作りの方が美味しいんだ」とムスターファさん。手作りブリワットは、子どもの頃大好きだったお菓子だそうだ。

いただいてみると、いずれもペーストに入ったシナモンや様々な香辛料の香りが強く漂う。かなり甘いけれど、濃厚なナッツ類のペーストにスパイス類の香りが合わさり美味しい。

しかし、紹介してもらったお菓子は、みな日常的に食べるものではない。普段は何を食べているんですか?と聞くと、「デザートには、お菓子じゃなくてフルーツを食べることが多いんだよ。安いしね。オレンジとかリンゴとかバナナとか」。また、子どもの頃は、パンにオリーブオイルやアルガンオイルをつけ、おやつに食べていたのだそう。

ちなみにアルガンの木の実からとれるアルガンオイルは、近頃美容にいいと女性に大人気のオイル。ハチミツで知られたアガディールはこれの名産地でもあるのだ。

そんなことを説明しながらムスターファさんが出してくれたのが、スライスオレンジに温めたハチミツとシナモンパウダーをかけたモロッコ風オレンジサラダ。これが、美味しいんです。簡単なのにオレンジが一気に異国風に変身。ゴールデンウィーク、どこにも行く予定がない方。目を閉じてこのサラダを食べれば、一時の「モロッコ旅行」ができるかも。

今回のおやつの生息地
タムタム
東京都杉並区松庵3-18-15
電話:03-6362-3968
注:カーブ・ガザール、ブリワット、オレンジサラダはお店のメニューにはありません

[Webナショジオ2013年4月26日掲載]

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