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がん保険は備えすぎ? 知っておきたい治療の相場 保険コンサルタント 後田亨

2014/6/16

皆さんは自分ががんと診断された場合、治療や入院にどれくらいお金がかかるか考えたことがあるでしょうか。アメリカンファミリー生命保険(アフラック)が2010年に発表した「がんに関する意識調査」によると、がん経験のない人で最も多かったのは「300万円より多い」で32.0%。次いで「200万円程度」21.7%、「300万円程度」19.7%、「100万円程度」19.1%と見方が分かれています。

がん治療にかかると思う金額と、実際に治療を経験した人が回答した平均額とでは、ずいぶん差がある(東京都中央区の国立がん研究センター中央病院)

実際はどうなのでしょう。同じ調査でがんを経験した人にかかった費用を聞くと「50万円程度」が37.5%、「100万円程度」が31.5%と合わせてほぼ7割を占め、経験したことのない人の感覚とはずいぶん差があります。私がこれまでがん保険について考える際、参考にしてきたデータです。

がん経験者の治療にかかった金額については、もう少し新しいデータもあります。カーディフ生命保険がホームページで公表している「2013年5月アンケート調査」で、平均126万円となっています。入院や手術、抗がん剤、薬などの「直接費用」が86万円、家族の交通・宿泊費や健康食品などの「間接費用」が40万円という内訳です。

治療費についてアフラックは(1)対象を自己負担分だけととらえるのか、付随費用も含む総額と考えるか(2)がんがどのステージなのか、再発・転移があるかどうか――によって異なるため、統一した定義に基づく回答を得るのは難しいという趣旨の指摘をしています。確かにそこは考慮する必要がありますが、一般の消費者ががんになったときの金銭負担を考えるうえで踏まえておきたい調査結果でしょう。

カーディフ生命の調査では、さらに興味深いデータがあります。がん経験者が治療に伴う収入の減少なども踏まえて回答した「闘病中にあれば安心できた金額」が平均364万円に達しているのです。冒頭で紹介した、がん経験のない人の多くが想像している金額に近いことが分かります。がん経験の有無を問わず、いざかかったときにお金の不安から解放されたいと思うと、実際に必要な額よりかなり多めに備えようとしてしまう心理が表れています。

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