進む雇用の流動化 仕事の不安乗り越えるコツ

結婚や出産によって、働き方が変わる可能性のある女性にとって、働く環境がどうなるのかは大きな問題です。2013年以降の仕事を取り巻く環境と、それでもずっと働き続けるための法則を聞きました。

雇用スタイルは今後ますます多様化の方向に

「会社の業績が悪化し、いつかリストラが行われるのではないか、経営破たんするのではないかと不安。事務職のまま一生働いていけるか心配です」(34歳・メーカー・事務)、「派遣社員という働き方で、いつまで雇用があるのか分からない。子どもを産んでも仕事を続けたいなら、正社員を目指すべき?」(27歳・建設・事務)…。月刊誌「日経WOMAN」実施したアンケートには、ずっと働き続けたいと思っている読者からは、将来への不安が多く寄せられた。

 

「今後の日本の雇用環境は専門家でも読めない状況です」と話すのは、キャリアネットワーク会長の河野真理子さん。「ただ、雇用形態の多様化が進むのではないかと予想されます。これからは、会社のニーズだけを意識して働く“企業人”ではなく、自分の専門性を意識しながら、企業の中でも自立心を持って働ける人が必要とされます」(河野さん)。

会社の中で自立心を持って働くとはどういうことだろうか。人事コンサルタントの城繁幸さんは、「実務のなかで、着実にスキルを身に付け、強みを意識して働くこと」と言う。「実務は最高のジョブトレーニング。“この仕事で身に付くスキルは、ほかの企業や仕事でもこのように応用できる”などと、自分の市場価値を意識しながら働くこと。適性を見極め、“専門性”として磨くことも大切です」(城さん)。

とはいえ、「自分の“専門性”がどこにあるか分からない」と言う事務職女性は少なくない。そんな声に、リクルートワークス研究所の徳永英子さんは、「まず、自分の仕事を“事務職”と呼ぶことをやめるべき」と言う。「事務といっても、その業務内容は様々です。実際の業務を考えながら、営業アシスタント、資料作成スペシャリストなど、仕事内容を的確に表す“職種”を考えてみましょう。それを、自分のなかで専門性として磨いていくといいと思います」と言う。

スキルを磨いても、雇用の不安定化がささやかれるなか、結婚や出産を経て、仕事を続けられるのだろうか?

「日本は、女性管理職の割合がほかの先進国に比べて低いなど、女性の社会進出が進んでいないことが問題となっています。また、少子高齢化で労働力が不足するなかで、女性が仕事を続ける必要性は、広く議論されています」と、日本女子大学教授の大沢真知子さん。「国や企業が変わることも重要ですが、女性側も、自分が社会を変えるという意識を持って働くことが大切。例えば、子どもを持って、それまで通りに仕事を続けるのが難しくなっても、諦めずに続ける方法を考える。そういう一人一人の行動の積み重ねが、女性が働きやすい社会への原動力になると思います」(大沢さん)。

「既に意識を変えている企業も現れています」と言うのは徳永さん。「ワーキングマザーの時間管理力を高く評価し、積極的に子どもを持つ女性を採用する企業が徐々に出てきています」(徳永さん)。

子どもがいたら仕事を続けづらい、年齢を重ねると雇用が減るといったネガティブなイメージにとらわれず、本当に合う仕事や働き方を探せば、自分らしく働き続けられる時代。前向きにキャリアを考えていこう。

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