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東京ふしぎ探検隊

2013/12/13

東京ふしぎ探検隊

乱れたダイヤの戻し方

副都心線の行き先案内表示。西武線、東武線との直通電車は行き先に注意が必要だ

では、乱れたダイヤはどうやって回復するのか。

「いろいろありますが、例えば折り返しにかかる時間を短縮するという手があります」(水町さん)

新木場駅(江東区)止まりでそのまま車庫に入る電車があったとする。通常は運転士が1人で車両Aを車庫に入れ、新たに別の車両Bを車庫から出す。その際、車両を車庫から出し入れする時間に加え、Aの先頭からBの先頭まで200メートル分、歩く時間がかかる。

ここに運転士を1人派遣すれば、1人がAを車庫に入れ、もう1人がBを車庫から出してそのまま運転できる。「通常8分かかっていた折り返しを4分に短縮できるなど、大きな効果があります」

車庫に入る予定の車両をそのまま折り返し車両に変更することもある。あるいは行き先を変え、より手前で折り返すことで時間を短縮する手法も使われているようだ。指令所は状況を把握し、他社と連絡を取り、状況に応じて打つ手を考えねばならない。

後ろの電車を待つ理由 間隔調整で連鎖防ぐ

「後続の電車が遅れていますので、当駅で間隔調整を行います」――。こんな車内放送にイライラした人は多いだろう。遅れていない電車までなぜ遅らせるのか。「鉄道ダイヤのつくりかた」(オーム社)などの著書があり、ダイヤ管理に詳しい富井規雄・千葉工業大学教授に聞いた。

東京メトロではホームページ上で間隔調整への理解を呼びかける動画を公開している

「3分間隔で運行しているダイヤの場合、3分遅れてしまうと、理論上は次の電車の混雑率が2倍になります。すると乗り降りに時間がかかってさらに遅れ、次の電車、その次、と遅れが拡大していくのです。そこで前の電車を止めて電車の間隔を縮め、混雑を分散させることで、遅れが拡大するのを防ぐのです」

3分間隔で電車が続く路線だと、3分の遅れは1本の電車が消えたことに等しい。その分混雑は激しくなる。東京メトロではホームページ上に動画を載せ、間隔調整への理解を呼びかけている。

小田急とJR東も直通を準備

富井教授によると、鉄道ダイヤ作成時に考慮すべき点は3つある。(1)線路・番線(2)乗務員(3)車両――。なかでもややこしいのが車両のやりくりだ。

直通運転となると何社もの車両が1つの線路を通る。例えば東急田園都市線、東京メトロ半蔵門線、東武伊勢崎線・日光線の場合、3社の車両がどの区間も走っている。

さらに込み入っているのが小田急小田原線・多摩線とメトロ千代田線、JR常磐線のケース。3社であることに加え、車両の所属会社によって走る区間が異なるからだ。すべての区間を走れるのはメトロ車両のみ。小田急とJRの車両はそれぞれメトロ区間には乗り入れるが、その先は走らない。双方の信号システムなどに対応していないためだ。途中で折り返す車両が多く、ダイヤは非常に複雑になる。

こうした事態を解消するため、小田急電鉄と東日本旅客鉄道(JR東日本)は4月から、車両の改造を始めている。時期は未定だが、いずれ直通の本数が増えるという。

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ダイヤ作成の難問 各社の走行距離を同じに
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