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空腹のときにこそ胃は働く

働きもののカラダの仕組み 北村昌陽

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NIKKEI STYLE

 胃は、食べたものを消化する臓器。これはもう、皆さんよくご存知ですね。ただ、胃の働きをつぶさに調べていくと、実は「空腹」のときに、とてもよく働いているそうです。空っぽなのに、いったい何をしているのでしょう? 健康の根本に関わる、とても大事なお話です。

「胃の働きは何?」って聞かれたら、10人中10人が「食べ物を消化すること」と答えるだろう。もちろんそれで正解。では、この質問はどうだろう。「胃は、いつ働いているの?」

そりゃあもちろん食事のあとでしょう、と思った人は、胃が働くもう一つの大事な機会について、ぜひ知ってほしい。

「胃が最も強く収縮するのは、中が空のとき。お腹の健康を保つための重要な働きなのですよ」

東北大学名誉教授で、胃と腸の専門家である本郷道夫さんはこう話す。さて、どんなふうに大事なのか、話を聞いてみよう。

1分3回の収縮を自律的に繰り返す

胃は、お腹のほぼ中央にある袋状の臓器。「袋」といっても実際には管状の消化管の一部だけれど、胃の部分は管がカーブしながら大きく膨らんで、内容物がたまるようになっている。壁は筋肉でできていて、空腹時には縮んでいるが、満腹になると1.5リットルぐらいまで膨らむ。

この筋肉は、毎分3回程度の自律的な収縮を、ゆったりと休みなく繰り返している。

「胃の筋肉層には、自力で収縮リズムを作るペースペーカー機能が備わっているのです」

もっともこの周期的な収縮は、動きとしてはごく微弱。より強い収縮が必要なとき(例えば食事のあと)は、迷走神経(自律神経の一種)が加勢する。

「胃はいわば、自力で少しだけ揺れているブランコのような状態。この揺れにあわせて迷走神経が背中を押すことで、揺れ幅が大きくなります」

大きくなった収縮は、波のように胃の上部から下部へ進みながら、中身をしごく。内容物が粉砕され、細かくなったものが十二指腸へ送り出される。

「大事なのは、1分3回という胃のリズムと、迷走神経のシグナルが同調していること」。強いストレスを感じているような状態では、迷走神経が1分に4、5回もシグナルを出してしまうことがある。これでは胃が正常に動けない。「すると消化が進まず、胃もたれや胸焼けが起きます」。なるほど、ストレスでお腹の調子がおかしくなるのは、そういうことなのか。

お腹がぐーっと鳴るのは胃腸の大掃除のサイン

さて、注目の空腹時だ。

食事が終わり、胃がすべての消化物を十二指腸へ送り出してから70~80分後。迷走神経がおもむろに、空の胃に向かってシグナルを出し始める。シグナルは徐々に強まり、やがて胃は、食後より強い収縮の波を作り出す。この波は胃の範囲を超えて十二指腸、さらに小腸まで連続的に進んでいく。そんな強い脈動が毎分3回、5~10分間にわたって続く。これが、空腹期の強収縮と呼ばれる現象だ。

「胃腸の中を掃除する働きと考えられます」。強い収縮が、食物残渣(ざんさ)や古い粘膜をそぎ落とし、胃腸の中をきれいにする。このとき、よく腸管内のガスが動いて、お腹がぐーっと鳴る。「掃除したので、次の食事の準備OKという合図ですね」。

空腹が続けば、強収縮は約90分ごとに起きる。1日3食とすると、朝食と昼食の間、昼食と夕食の間はせいぜい1回ずつ。ストレスで胃もたれ気味なら、一度も起きないかもしれない。

強収縮が起きやすいのは夜間だ。「睡眠中に何度か収縮してすっかり掃除し、朝、それを便として出す。こんなペースで動いていれば、胃腸は快調です」。

ところが、寝る間際に何かを食べると、夜の強収縮が起きないという。睡眠中は消化作用が進まないので、胃が空にならないのだ。すると朝から胃がもたれるし、強収縮不足で便秘にもなりやすい。さらに、睡眠が浅くなって疲れがなかなか取れない。悪いことばかりだ。

「お腹の働きと、いい睡眠は、密接につながっています。そのカギは、胃を空にして寝ること」と本郷さん。心に刻んでおきましょう。

北村昌陽(きたむら・まさひ)
 生命科学ジャーナリスト。医療専門誌や健康情報誌の編集部に計17年在籍したのち独立。主に生命科学と医療・健康に関わる分野で取材・執筆活動を続けている。著書『カラダの声をきく健康学』(岩波書店)。

[日経ヘルス2012年8月号の記事を基に再構成]

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