働き方・学び方

定年世代 奮闘記

奇特な同志から続々情報、ネットワークの力恐るべし 団塊オヤジのナメクジ探索

2012/12/15

ナメクジを目撃したらデジカメで接写し、日時や場所を記入しパソコンのメールで送ってほしい。知り合いから、そう頼まれたとしよう。何の謝礼もない。それに対象は、あのナメクジである。協力するだろうか。

「ナメコロジー研究会感謝の集い」で一人ずつ会員を紹介する筆者(右)(東京都千代田区)

でも、奇特な人が世の中には、いるものなのだ。

■見るべき成果なかった研究会が一変

14年前、ナメコロジー研究会をたった独りで旗揚げした当初は、ナメクジの歩行スピードのように遅々として、見るべき成果は上げられなかった。犬の散歩中や旅先でナメクジを探しても、生息分布マップはなかなか埋まらず、まばらそのもの。ナメクジが登場する文学作品もほんのわずかしか見つからない。

で、4年後にカミングアウト。研究会の趣意書と目撃情報記入書を公開し、友人知人に配布した。講演の機会などには、資料の下に忍ばせ、協力をお願いした。

■謝礼もないのに情報提供400件超

人のネットワークの力おそるべし。急に在来種フタスジナメクジや外来種チャコウラナメクジの目撃情報が集まり始めた。そればかりではない。ナメクジが登場する文学作品や、最前線のナメクジ研究情報も寄せられるようになった。

「感謝の集い」に出された手作りのナメクジクッキー

これまでつけてきたナメクジ日誌から拾うと、寄せられた各種情報の数は400件を超える。10月に出版した「ナメクジの言い分」(岩波科学ライブラリー)の貴重なデータになったことは言うまでもない。

この12月8日には、東京・JR四ツ谷駅前の主婦会館プラザエフで「ナメコロジー研究会感謝の集い」を開いた。実は、情報提供をお願いする際に渡す趣意書に、何の謝礼もできないが、生息分布マップが完成したら届ける、と書き込んでいた。

約束を果たしていなかったことがずっと気になっていた。そこで本が出たのを機に、感謝の気持ちを示す会を催し、お礼に本を渡すことにしたのである。

働き方・学び方 新着記事

ALL CHANNEL