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バガボンド井上雄彦が魅せられた 式年遷宮棟梁の手 伊勢神宮へ墨絵を奉納

2013/10/17

宮間棟梁と握手する井上氏。相手の気持ちが伝わってくる大切な行為だ。伊勢神宮に奉納する墨絵「承」に数多くの手を描くきっかけにもなった

■間違いは位置決めの段階で起こる

井上 失敗されたこともありますか?

宮間 大きな失敗というのはなかったですけれども、人間100%の完璧な仕事はできないですから。人それぞれで失敗は起こるんですけれども、大きな木は大変だから取り替えるなんていってもできないですからね。だから棟梁は墨掛けるときはね、何遍も確認して。間違えないように。職人さんは、墨掛けたやつを穴を掘ったり、削ったりしますもんで。

井上 「墨掛け」というのは?

藤森 位置を決めるんです。墨で罫線みたいなのを引くんですよ。

宮間 間違いちゅうのは墨掛けた段階で起こるんですね。ベテランがやりますもんで。だから、わたしらも墨掛けするようになってからは、一遍やったけれども、大丈夫かな? というので、もう一遍尺図に置き直したり。木が逆になってへんかとか、そんなのを柱の役目の番付によって、左に穴があるのが右に穴を書いちゃったらもういかんかな、と思って、それも番付とおりになってるか何遍もそれを確認して。「これでいいな」と思ってから、職人さんに、「刻みなさい」とするんです。

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■井上氏は幅188センチの長尺墨絵を伊勢神宮へ奉納した

2013年5月、4度目の伊勢神宮取材の際に、井上氏は「伊勢神宮へ絵の奉納をしませんか」と打診された。62回目の式年遷宮にあわせた絵の奉納。自然や歴史、先人たちから承ったことを、次世代に伝え継ぐことができる絵にしたいと、1000年以上もつとも言われる和紙に墨で絵を描いた。幅は約188センチ、高さ24センチの長尺墨絵が仕上がった。奉納墨絵は、伊勢神宮内宮参集殿で2013年10月19日から特別公開される。http://www.sengu.info/sho.html

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