バガボンド井上雄彦が魅せられた 式年遷宮棟梁の手伊勢神宮へ墨絵を奉納

藤森照信(ふじもりてるのぶ) 78年東京大学大学院博士課程満期修了。82~2010年東京大学生産技術研究所専任講師、助教授、教授。2010年工学院大学教授、東京大学名誉教授。著書に「日本の近代建築 上・下」(岩波書店)ほか多数。45歳のときに「神長官守矢史料館」で建築家デビュー

木材選びは「何より見栄え」

井上 どういう木が、一番大事ないい木になるんですか?

宮間 第一は、色がよろしいですな。赤くなくして、白い。一番色艶がいい、目がよう込んでいて癖のない、アテなんかは全然見当たらん、という木です。山の生えているところの場所で、条件がいいところですね。

藤森 やはりあんまり赤身のある木はよくないんですね。

宮間 耐久力とかそんなんと違って、神宮の場合、20年で建て替えますんで、極力見栄えがよくないと。お寺さんのお堂をつくるのは、「木は立っている方向に使え」というぐらいに、節があっても南なら南に向けて使え、というようなことを言うわけだけど、神宮の場合は、あえて北向いている節のないところを正面にもってきて、節は裏側のほうに使うこともあります。

藤森 やっぱり節は嫌がる。

宮間 節とか色つやが悪いのは、裏が見えない屋内に向けて回して使います。10本の柱をいかにうまく使うか、どこへ使うかいうのは、最初の墨掛ける時点で決まっちゃうんです。

技術継承にマッチする「20年サイクル」

スケッチ:井上雄彦(以下同)

井上 式年遷宮は、なぜ20年に一度と決まったんですか。

宮間 いろいろ説はあるらしいですが、わたしらは技術の継承だけの考えですけれど、20年というのはうまく定めてくれたと思います。

藤森 技術の継承ということで考えると、やはり20年くらいがいいですね。あんまり長いと、継続できない。

宮間 人生長くなりましたから、もう少し延ばしてもいいのか分からへんけど、2回の遷宮やったら大概の人はできますね。前の遷宮の経験者が次の遷宮もやれる。