いい腸の作り方4大ポイント

では、どうやって善玉菌の優勢を保てばいいのだろう。カギは、便が大腸をスムーズに通過すること。要するに便秘対策だ。そのための4つのポイントを紹介しよう。腸内環境をいい状態に保つには、スムーズなお通じをキープすること。まずは自分の生活習慣を見直そう。

◇Point1 水分をたっぷりとる

便の硬さは、含まれる水分で決まる。水分を十分にとれば、便が軟らかくなって腸内の通りが良くなる。1日1.5Lが目安。お茶やウーロン茶もカウントしていい。「暑い日やたくさんしゃべった日は、もっと必要。目安として、口の中が渇いている感じがしたり、おしっこの色が濃くなったら、水分が足りていないと考えて」と草間院長。

◇Point2 食物繊維やオリゴ糖の多い食品をとる

善玉菌のエサといえば、オリゴ糖や食物繊維。また、でんぷんなどの糖質も、善玉菌の好物だ。これらは野菜、果物、穀類、豆類、海藻、キノコなどに多く含まれている。積極的に食べよう。毎日とりたいものなので、単発で食べるより、「朝食にフルーツを欠かさない」「ご飯は雑穀入りにする」など、日々の食習慣に無理なく取り入れるのが継続のコツ。

◇Point3 運動習慣をつくる

体を動かすことで、腸のぜん動運動が活発になる。また、排泄時に腹圧を保つには、腹筋などお腹まわりの筋力もある程度必要。運動する習慣がない人は、まずは体を曲げたりねじったりする簡単な体操でいいので、毎日少しずつやってみよう。これも、大事なのは継続だ。お腹を「の」の字になでたりさすったりするセルフマッサージも効果的。

◇Point4 生活リズムを整える

お通じ対策は朝から。朝は体が目覚めておらず、胃腸の動きも不活発。「毎朝バナナ1本でも食べるようにすれば、朝から胃腸が動くようになります」と草間院長。そして便意が来たら、我慢しないでトイレに入ること。「ただし5分座っても出なければ、いったんトイレから出て。下着を下ろして長時間座っていると、腰まわりが冷えます」(草間院長)。

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便秘や痔に悩む女性の診療経験が多い、草間かほるクリニックの草間香院長によると、意外と見落としやすいのが「水分摂取」だという。

「水を飲んでいますか? と聞くと、皆さんたいてい『はい、飲むようにしてます』と答えますが、1.5L飲んでいる人は少ない。これから暑くなって汗が出るようになれば、もっと必要になります」(草間院長)。

食生活では、善玉菌を増やす食物繊維やオリゴ糖が大事。「毎日の食事でバランスよく摂取して。一度にたくさんとっても意味がありません」と草間院長。また、腸のぜん動運動を高める意味で、運動も大切。特に、腹筋を動かしたり、胴体をねじったりする動きがお薦めだ。

そしてもう一つ、生活のリズムを見直すこと。「まず、簡単なものでも構わないので、朝食をとること。そして便意を感じたら我慢しないこと。自分の排便リズムを把握することも大切です」(草間院長)。

この人たちに聞きました

森田達也さん
 静岡大学農学部応用生物化学科教授。食品成分と腸が相互作用するメカニズムを研究。「食物繊維を含む食材と、繊維成分だけを精製した食品の効果は、一緒ではない。腸内環境を改善する食べ方の基本は、なるべくその食材本来の状態で食べること」。
草間香さん
 草間かほるクリニック院長。専門は消化器外科。痔と便秘の診療に取り組む。「便秘は生活習慣の問題が大きい。便秘薬に頼る前に、生活を見直して、自然な排便を取り戻す努力をしましょう。痔にならないためにも、便秘改善は大切です」。

(ライター・構成 北村昌陽)

[日経ヘルス2013年7月号の記事を基に再構成]

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