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働き方・学び方
僕たちはどう働くか

2014/3/18

僕たちはどう働くか

冬のとっても寒い夜に外で石炭ストーブをたいて、肉や魚介類を焼いたり、キノコ汁をすすったりしながらお酒を飲んで楽しみます。招待された映画監督や俳優らもストーブを囲み、ファンの皆さんと一緒に語らいます。とっても寒いので自然と人と人との距離が近くなります。市の職員もボランティアとして手伝いながら、夕張市民として一緒に楽しむ。パーティーの資金源は、参加者の募金。募金箱に入れるお金は極端な話1円でもいいのですが、これまで3年連続で黒字になっています。

オフシアター・コンペティション部門のグランプリを受賞し、喜ぶ竹葉リサ監督(中央)(2日午後、北海道夕張市)=共同

そもそも、映画祭のメーン会場のそばにはホテルが2軒しかなく、飲食店も限られています。映画の関係者も、来場者も同じ場所に宿泊し、食事やお酒を飲むことになります。監督や俳優も同じ居酒屋にいて、数時間前に見た映画の感想を監督や俳優に対して直接伝える風景が自然に見られます。東京では考えられないことでしょう。

今回の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」のコンセプトは「Fantastic People」。「ニューウェーブアワード」を新たに設け、映画界に新しい動きをもたらした人を表彰しました。クリエイター部門に「あまちゃん」の脚本家、宮藤官九郎さん、俳優部門に「ごちそうさん」でおなじみの東出昌大さん、CMや映画に出ている武田梨奈さんが選ばれました。女優の常盤貴子さんも招待され、居酒屋でファンの方と交流されていたようです。俳優の斎藤工さんは審査員として参加してくださり、会期中ずっと夕張にいてファンの方と交流されていました。

歴史に学んでほしい

夕張は観光振興に手を広げすぎて借金がかさみ、破綻した側面もあります。それ以前に国のエネルギー政策の転換による炭鉱の閉山によって大きな借金を抱えることになったことも事実です。

現在、国のエネルギー政策を巡り「脱原発依存」など議論されています。ただ、政策を進める際には、過去の産炭地の歴史に学んでほしいと思います。夕張のほか福岡県赤池町(現在の福智町)もかつて産炭地で、91年度に財政再建団体となりました。このような市町村が出ないことを、心から願っています。

夕張は破綻から8年目を迎え、ようやくつらい過去の歴史を新しい力に変えようという取り組みが実を結び始めたと感じています。市民の力で生まれ変わった「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」が、破綻後最高の動員数を迎えられたことは、本当にうれしいニュースになったと感じています。

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