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働き方・学び方
僕たちはどう働くか

2014/3/18

僕たちはどう働くか

最高の動員数を数えた映画祭

「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」の開会式に出席した脚本家の宮藤官九郎さん(左から2人目)ら(27日午後、北海道夕張市)=共同

今月3日に、「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」が閉幕しました。来年25回目を迎える映画祭、今年は財政破綻後、最高の観客動員数となる1万3900人を数えることができました。実は映画祭も財政破綻の影響を受け、07年には一度休止に追い込まれました。

この映画祭は、夕張の「負の象徴」とみられてしまったところもありました。映画祭は88年から89年にかけて当時の竹下登首相のもと各市町村に支給された「ふるさと創生一億円事業」を原資に始めた市の事業で、主に市役所の経費で実施してきました。厳しい財政状況のなか、1億円以上のお金をかけた年もあるなど市の一大事業でした。

炭鉱が衰えてから夕張は「炭鉱から観光へ」を合言葉に、レジャー施設を建設して観光地化することで財政を立て直そうとしました。今も残る「石炭の歴史村」とマウントレースイスキー場、既に閉鎖・解体した遊園地(アドベンチャーファミリー)、知られざる世界の動物館などです。90年には積極的な観光政策が北海道再生のモデルとされ、自治相(現総務相)から表彰もされました。

もっとも現在は表彰をいただいた総務相の管理下にあるわけで、皮肉なものです。バブル崩壊などにより観光施設は経営が行き詰まり、大きな借金を抱えることになります。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭はその象徴であるといわれました。破綻後、市はこの映画祭の中止を決定したのです。

この決定を受け、有志がNPOとして立ち上がり(現在のNPO法人ゆうばりファンタ)、現在の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」が生まれました。こうした歴史があるため、復活後も北海道やマスメディアが協賛や後援をしているのに市は「後援」もしていませんでした。市を代表する大きなイベントなのに、市が名前を連ねていないのはおかしい、と私が市長になった翌年から、「後援」としてやっと名を連ねるようになったのです。

今でも、市がお金を出しているわけではありません。運営しているNPO団体が企業を回り、シンポジウムとセットにするなど工夫して地道に協賛金を募っています。毎年6000万円程度の経費がかかっているのですが、今のところ、NPOのメンバーが一からセールスすることでなんとか運営されています。

アットホームな映画祭

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭の最大の魅力は、「アットホームさ」に尽きます。映画祭にきてくださった方には「おかえりなさい」、終わって送り出すときは「いってらっしゃい」と声をかけます。なかでも夕張ならではのおもてなしで一番人気なのが「ストーブパーティー」です。

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