2013/11/21
図4 土木学会が2013年1月に発行した女性技術者向けのキャリアガイド。ロールモデルとなる先達の経験談や、キャリア継続のためのQ&Aなどを掲載

人脈づくりや両立支援を組織で

女性技術者の活躍の場は着実に広がっているが、一般に男性と比べて、出産や育児といったライフイベントが働き方に影響を及ぼしがちな状況は依然、変わらない(図4)。大手建設会社などでは、こうした課題に対して従来より一歩踏み込もうとする取り組みが始まっている。

大成建設では、土木系女性技術職の育成に関する取り組みを強化し始めた。2012年秋には、対象者を本社に集めて意見交換会を開催。本格採用し始めた2003年以降の入社組が対象で、その9割を超える約50人が集まった。狙いは、会社が求めるキャリア像を明確に伝える一方、日頃の悩みや本音を吸い上げること。図5は、参加者の声の一部だ。

図5 大成建設が昨年11月に実施した女性技術職向けの意見交換会で、事前にアンケート形式で集めた声を同社の資料から抜粋。会社の方針、人事制度、職場環境、結婚・出産後の働き方といったテーマに関する回答が目立つ

開催実務を手掛けた土木本部企画室の内山恵理氏も技術職。施工管理を経て、出産後に内勤職に転じた。現場の仕事と育児との両立に悩む時期もあったという。「参加者の声には、私自身が同様に感じていた指摘も多い。身近に共感し合える同性の相談相手がいない人もいる。意見交換会後の懇親会などを含めて、社内の人脈づくりにもつながる」(内山氏)。2013年度も継続開催の予定だ。

図6 (左)大成建設の「夫婦(パートナー)で考える両立支援セミナー」。2012年と2013年それぞれ約40人が参加した(写真:大成建設)。(右)女性技術職の意見交換会などで開催実務を手掛けた土木本部企画室の内山氏も技術職(写真:日経コンストラクション)

同じく2012年から始めた女性社員向けの「夫婦(パートナー)で考える両立支援セミナー」は、少しユニーク。仕事と家庭の両立がテーマで、社内外を問わず配偶者やパートナーとの共同参加が基本だ。土木技術職からの参加も多く、2013年も9月に開催。「女性の継続就業では、配偶者の協力が不可欠」(人事部人材いきいき推進室の塩入徹弥室長)。セミナー映像のネット配信も行い、自宅でも視聴できるようにした(図6)。

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「夢は海外の現場」と輝く目