人材不足への救世主か 20代「ドボジョ」に熱視線

2013/11/21
土木業界でも、女性技術者は既に珍しい存在ではない。土木好きの女子を指す呼び名「ドボジョ」もすっかり市民権を得た。技術者としての能力に男女の差はないが、働く女性ならではの悩みは今も残る。一方で、継続就業に向けた環境づくりなどの動きも出ている。

図1、図2のグラフは、土木学会における個人・学生会員数の推移と女性会員の比率。会員数全体に多少の増減はあるが、女性比率は、暦年の記録が残る2004年以降だけで1.5~2倍近い伸びを示している。直近では、人口ピラミッドが既に崩壊している男性会員と異なり、女性会員は若年層ほど厚い年齢構成が顕著だ。

2000年代前半は、大手建設会社などの女性技術者採用が本格化し始めた時期でもある。今も全体数こそ男性に比べて少ないが、もはや珍しい存在ではない。

図1 土木学会教育企画・人材育成委員会ダイバーシティ推進小委員会が調査し、2013年8月に公表した資料から抜粋してグラフ化した。2013年は6月末時点、04~12年はそれぞれ12月末時点、1998年は1月末時点のデータ。99~03年分はデータ不明
図2 土木学会教育企画・人材育成委員会ダイバーシティ推進小委員会が調査し、2013年8月い公表した資料から抜粋してグラフ化

若手層で存在感出す女性技術者だが、悩みもある

「女性技術者の多くが抱える悩みは、キャリアを考えるうえで周囲にロールモデルが少なく、長期展望を描きにくいこと」。土木技術者女性の会の桑野玲子会長(東京大学生産技術研究所都市基盤安全工学国際研究センター教授)は、こう話す(図3)。

同会は、土木学会の女性会員たちが1983年に設立。現在は約200人の会員が、主に地区ごとに勉強会や現場見学会、学生向けセミナーといった活動を続けている。会員同士の交流は、特に若手層の悩みである「ロールモデル不足」を間接的に補うことにもつながっている。

「戦力として男女差にこだわらない傾向は、雇用側にかつてより浸透してきたと思う。人手不足に悩む地方の中小クラスなど、積極的に求める会社もある」(桑野会長)。

図3 (左)土木技術者女性の会の桑野会長(写真:日経コンストラクション)、(右)土木技術者女性の会の現場見学会の様子。同会では年次総会のほか、地区ごとに勉強会や現場見学会、学生向けセミナーといった活動を続けている(写真:土木技術者女性の会)
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