A.J.ジェイコブズ氏の「自家製トレッドミル・デスク」

定期的にジム通いをしていても、いすに座って生活することの害を完全に払拭することはできない。研究でそう示されている、というのだ。ひたすら座り続けた揚げ句、しこたま運動するという帳尻合わせの方法では、座りっぱなしの問題は解決できない。やはり根本原因に切り込む必要がある。

座る時間を減らし、運動の時間を増やすにはどうしたらいいのか。ジェイコブズ氏が対策として始めたのが、「使い走り」と「トレッドミル・デスク」だった。

「使い走り」というのは身近な用事をこなすため文字通り「走り回る」ことで、例えば、走ってドラッグストアまで行き、歯ブラシを1本買い、走って家に戻る。スーパーにも理髪店にも子どもの迎えにも走って行く。そして、走っていないときはなるべく座らないようにするという徹底ぶりだ。

昨夜はジュリーと『スター・トレック』を見に行った。40分が過ぎた頃、僕は立ち上がって座席の一番後ろに移動した。立ち見をするためだ。僕は、自分が正しい人間であるように感じた。座って映画を見るなんてのは、軟弱者のすることだ。かつて庶民は、グローブ座でシェークスピア劇を楽しむために、1ペニー払って土間席で立ち見した。僕は、自分はあのたくましい人々の子孫なのだ、と自分に言い聞かせた。
案内係がそっと教えてくれた。「席はたくさん空いていますよ」
「いえ、大丈夫です」
案内係は警戒の色を浮かべて僕を見ていた。(『健康男』より)

場所とシチュエーションによっては、周囲を面食らわせてしまうことになりかねないので注意が必要かもしれない。そして画期的とも言える対策第二弾が「トレッドミル・デスク」である。

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