退職貧乏父さんにならない方法

現役時代に幸せなリタイア生活を夢見ていても、退職後に「こんなはずではなかった」とトラブルに遭遇して後悔する人が少なくありません。典型的なのは、退職前に妻の不満を軽視していたり、退職後にぜいたくな旅行や買い物をしたりするといった5つの落とし穴です。どのようなリスクが生じやすいかを見極めて、「ハッピー退職」を実現させましょう。

「日経マネー」では、個人投資家の実態を明らかにするためのアンケート「個人投資家調査」を毎年実施している。2012年の調査[注]では、有効回答者6518人の中で60歳以上の回答者は1081人いた。この世代の特徴は、他の年代と比べて最も金融資産が多いことだ(図1)。退職金と年金をもらっている世代なので、2000万円以上を保有する人が50%もいる。ちなみに50代では37%、40代では27%しかいない。一方、自分の投資手法に満足していない回答者が多く(図2)、幸福度が高い人でも必ずしも金融資産が多いとは限らない(図3)点が目に止まる。

図1 60歳以上の人の現在の金融資産額(「日経マネー」個人投資家調査 2012年版の結果。図2、図3も同様)
図2 自分の投資方法に対する満足度
図3 幸福度が高い60代の金融資産額。なお、「幸福度が高い60代」とは、アンケートの別設問で現在の幸福度を10点満点中で9点以上と答えた60代回答者のこと

「ハッピー退職」を阻む5つの落とし穴

ではどうすれば「ハッピーな生活」を送れるのだろうか。会社勤めを終えた退職後は、妻とビジネスクラスで海外旅行へ行ったり、畑で野菜作りに励んだりするなど、“人生の楽園”のような生活に憧れている人も多いだろう。サラリーマン生活も50歳を超えると、そろそろリタイア後の生活が脳裏をよぎる。頑張って働いてきた自分、家庭を支えてきた妻、社会に出る子供に有形無形で感謝したい……。このように思う「お父さん」は、ちょっと待ってほしい。誠実な思いとは裏腹に、資産形成にとってはマイナスになり、ひいては大切な老後生活が悲劇に転じる落とし穴がゴロゴロある。典型的な5つの事例をまとめたので1つずつ点検していこう。

[注]2012年の「日経マネー」個人投資家調査は、2012年2月10~20日にインターネット上で実施。2011年の運用成績、投資スタイル、家計管理などについて尋ねた。有効回答者数は6518人。詳細は「日経マネー」2012年6月号を参照。
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