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ポール10万円、高騰する海外アーティストのチケット

日経エンタテインメント!

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NIKKEI STYLE

 ザ・ローリング・ストーンズの東京ドーム公演、ゴールデン・サークル席の価格は8万円。残念ながら体調不良により中止となったが、ポール・マッカートニーのコンサートではアリーナ席に10万円の値が付けられた。こうしたチケットの高騰は名のあるベテランアーティストに限ったことではない。今をときめくワン・ダイレクションら若手を含め、海外アーティストによるコンサートに高額チケットが目立っている。なぜ、彼らのチケットはそんなに高いのか。その理由を探った。

CD市場の縮小と反比例し、規模拡大を続ける音楽コンサート市場。国内アーティストのコンサートチケット代は、国立競技場での公演を例に見ると、嵐が8500円、ももいろクローバーZが9200円、AKB48は8800円とほぼ横並び。他の会場でも邦楽アーティストであれば1万円を超えることはほぼない。

一方、価格に幅があるのは海外アーティストによるコンサートだ。2014年2月に来日した、ザ・ローリング・ストーンズの公演では、ステージから前方に突き出した花道を囲むゴールデン・サークル席に8万円の価格を付け、大々的に売り出し話題となった。2014年5月に、約半年ぶりに来日したポール・マッカートニーの日本武道館での追加公演アリーナ席は、ついに10万円の大台に乗った(本人の体調不良により、ライブは中止に)。下の表を見ても分かるように、有名海外アーティストのコンサートでは、通常のS席でも1万5000円がずらりと並ぶ。なぜこうした高額チケットが目立つようになったのか。

上昇のはしりは、1989年の消費税導入のタイミングにさかのぼる。それまではチケット代が5000円を超えると入場税が1割かかる仕組みだったため、そこがボーダーラインになっており、マイケル・ジャクソンやマドンナなど、その一線を超えるのは、ごく一部のアーティストだけだった。

ところが89年、消費税の導入に伴い入場税は廃止。「5000円」のラインは消え、90年のザ・ローリング・ストーンズによる1万円という価格は高額チケットとして当時の話題を集めた。

バブル崩壊で収入源はチケット代のみに

90年代前半にはバブルがはじけ、コンサートの興行主にとって、チケット代と並ぶ収益源となっていた冠スポンサーは姿を消し、その後、レコード会社からの援助金もなくなった。興行会社にとってチケット代だけが唯一の収入源となり、チケットの高騰は現在に至るまで加速が続く。

グッズ販売コーナーはアイドルだけではなく、海外アーティストのコンサートでも盛り上がりを見せている。だが、これらはコンサートとは別のビジネスとして動いており、チケット代高騰の抑制にはつながらない。

一方、支出は増加の一途をたどっている。チケット代の大半を占める海外アーティストの来日コストは高額化が進む。

その理由として、まず挙げられるのが世界的な音楽フェスティバル(フェス)の増加だ。人気アーティストのスケジュールは奪い合いとなり、ギャラの上昇につながった。原油高による航空券の燃料サーチャージの恒常化も、スタッフを含むアーティスト来日コストを底上げする。そして2013年からの円安傾向も影響を及ぼしている。

大手コンサートプロモーター、キョードー東京の田山順一取締役は高額チケットに関して、「ギャラのアップなど、アーティスト側の要望によるものが大きい。それでも計算してぎりぎりのところで抑えており、90パーセント以上お客さんが入って、やっと赤字にならないくらいのせめぎ合いなのが現状」とその実情を語る。

売れないCD、アーティストの意向でチケットが高騰

そして何よりも、チケットの高額化はアーティストの意向でもある。CDが売れないなか、いかにコンサートビジネスを軌道に乗せ、高い収益を上げるかは最優先事項となっている。ザ・ローリング・ストーンズの8万円チケットなど、高額指定席の設定も「アーティスト側からの要望。日本の会場の構造や席数までも把握し、具体的な価格まで希望を伝えてくるケースもある」(田山氏、以下同)というシビアさだ。

また、都内のコンサート会場不足もチケット代高騰に影響を及ぼしている。2010年に閉鎖した東京厚生年金会館や、2014年5月に営業が終了したSHIBUYA-AXなど、中規模会場が減少。大規模会場でも国立競技場が7月から解体が予定され、それに代わる会場は見当たらない。そのため「多くの来場者が見込める土日の東京ドームなど、アクセスの良い会場の不足は深刻」。一度音響や照明などのセットを組み、そのまま複数日公演で利用すれば舞台制作費は抑えられる。だが、実際は連日公演でない限り、公演日以外は別のイベントが開催される。そのため公演終了後にセットをバラして、次の公演直前にまた組み直すこともある。こうしたコストもチケット代に反映される。

この数年で、ハイビジョン対応のためのスクリーンの大型化や、凝った電飾照明など派手な演出のための舞台制作費は上昇傾向。国内アーティストの場合、レコード会社は厳しいCDセールスの穴を埋めるために、大型コンサートはDVDなどで映像パッケージ化するケースも多いため、過度な演出が恒常化しているというわけだ。

田山氏は「コンサートチケット代が値上がりしているように見えても、同時に必ずコストを下げる努力をしている。コンサートに関わる人が増え、人件費が膨らんでいくなか、いかにやりくりして、なるべくリーズナブルで買いやすいチケット価格にしていくかが、大きなテーマ」と話す。海外アーティストのチケット代が抑制されるきっかけが見当たらないなか、来場者にとって、そしてプロモーターにとっても理想の値付けには試行錯誤が続きそうだ。

(日経エンタテインメント! 伊藤哲郎)

[日経エンタテインメント! 2014年5月号の記事を基に再構成]

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