大御所の宮部は、ミステリーの「理由」や「模倣犯」、時代劇の「三島屋変調百物語」シリーズなど多ジャンルで多数の人気作を持つ。作品数のわりに映像化は多くなかったが、ここ2年は長編デビュー作「パーフェクト・ブルー」の連ドラなど映像化が目立ってきた。

トップの5人は、原作者名で一定層からの支持が見込める有名作家が占めた。背景には、映画界で主流の「製作委員会」の影響もうかがえる。複数の企業や組織が出資する製作委員会方式では、企画段階の安心材料として原作者の知名度や実績が重宝されるのだ。

3作が映像化された6位には、ドラマ「ハンチョウ」シリーズの今野敏、映画「悪の教典」の貴志祐介、「ストロベリーナイト」の誉田哲也(ほんだてつや)など、映像化の実績が高い顔ぶれが並ぶ。辻村深月(つじむらみづき)は、結婚式場を舞台にした群像劇「本日は大安なり」が2012年秋に初映像化。ミステリーが底流にありながらエンタテインメント性も高い作風の辻村は、映像化に向く期待の星だ。

【調査方法】2012年1月1日~2013年12月31日までの2年間に、映画化、4話以上の連続ドラマ化、劇場版アニメ化、テレビアニメ化された小説(ライトノベルを含む)を調査(映画作品公開1回で1、ドラマやアニメは1クールで1とカウント)。作家別にランキングにした

ライトノベルからは、代表作「空の境界」の映画版がシリーズ化している奈須きのこや、「物語」シリーズ全作品のアニメ化が進行中の西尾維新がランクイン。局地的な人気が高い原作は、アニメ化をきっかけに読者層を広げて大ベストセラーになることも多い。

映像化数2作の13位には、「半沢直樹」の池井戸潤、「永遠の0」の百田尚樹(ひゃくたなおき)、「天地明察」の冲方丁(うぶかたとう)ら話題性のある作家陣が名を連ねている。次なるヒットメーカーが潜んでいるのは、このあたりだ。

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映像化されやすい小説とは
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