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「映像化」でひっぱりだこ 人気原作者ランキング

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 小説を原作にした、ドラマや映画、アニメが増えた昨今。小説家の人気も、映像化作品によって左右される面が大きくなってきた。人気が高い作家や作品を探るため、この2年間に映像化された小説を調査。作家別に映像化数をカウントし、「人気原作者ランキング」を作成した。

社会現象を起こしたドラマ「半沢直樹」。ドラマ人気とともに、原作シリーズ「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」の部数も激増。ドラマ開始前に合計50万部だった発行部数は、最終回直後の2013年9月末には約5倍の250万部にまで達した。

ドラマや映画のヒットが、原作をベストセラーへと押し上げる風潮は強い。映像と小説の関係が密接なため、作家の注目度もまた、映像化によるところが大きくなっている。では、今パワーがある小説家は誰か。2012年1月から2013年12月までの24カ月間に映像化された小説をカウントし、作家別にランキングした。この2年で小説を原作とした映像作品(連続ドラマ、映画、アニメ)は265に上り、2作以上が映像化された作家は、13位までの31人となった。

東野圭吾が圧勝、トップを占める有名作家

2年間で7作の映像化と圧倒的1位となったのは、東野圭吾。過去にも「白夜行」や「流星の絆」など、映像化のヒット作は多い。この2年では、「加賀恭一郎」シリーズの映画「麒麟の翼」、「ガリレオ」シリーズのドラマ「ガリレオ2」および映画「真夏の方程式」と、2大シリーズからの映像化が進んだ。また近未来サスペンス映画「プラチナデータ」や、20年前の短編集3冊をドラマ化した「東野圭吾ミステリーズ」なども実現した。

映像化数5作で2位にランクインしたのは、山田悠介。ゲーム性とスピード感ある設定が中高生に人気の作家だ。2001年のデビュー作「リアル鬼ごっこ」は、映画が第5弾までシリーズ化されている。

3位には、有川浩、湊かなえ、宮部みゆきの女性3人が続いた。有川はポップに描かれる"ベタ甘恋愛"の名手。今年は出世作「図書館戦争」が実写映画化と劇場版アニメ化、「空飛ぶ広報室」が綾野剛と新垣結衣のキャストでドラマ化、「県庁おもてなし課」が錦戸亮主演で映画になり、盛り上がった。

ブラックな後味が特徴のミステリー作家・湊は、処女作「告白」のミリオンセラーに続く勢いで映像化も多数。既刊13作中8作が映像化済み、あるいは映像化確定と打率も高い。ドラマ「高校入試」で脚本を書き下ろすなど、作家自身もメディアミックスに積極的だ。

大御所の宮部は、ミステリーの「理由」や「模倣犯」、時代劇の「三島屋変調百物語」シリーズなど多ジャンルで多数の人気作を持つ。作品数のわりに映像化は多くなかったが、ここ2年は長編デビュー作「パーフェクト・ブルー」の連ドラなど映像化が目立ってきた。

トップの5人は、原作者名で一定層からの支持が見込める有名作家が占めた。背景には、映画界で主流の「製作委員会」の影響もうかがえる。複数の企業や組織が出資する製作委員会方式では、企画段階の安心材料として原作者の知名度や実績が重宝されるのだ。

3作が映像化された6位には、ドラマ「ハンチョウ」シリーズの今野敏、映画「悪の教典」の貴志祐介、「ストロベリーナイト」の誉田哲也(ほんだてつや)など、映像化の実績が高い顔ぶれが並ぶ。辻村深月(つじむらみづき)は、結婚式場を舞台にした群像劇「本日は大安なり」が2012年秋に初映像化。ミステリーが底流にありながらエンタテインメント性も高い作風の辻村は、映像化に向く期待の星だ。

ライトノベルからは、代表作「空の境界」の映画版がシリーズ化している奈須きのこや、「物語」シリーズ全作品のアニメ化が進行中の西尾維新がランクイン。局地的な人気が高い原作は、アニメ化をきっかけに読者層を広げて大ベストセラーになることも多い。

映像化数2作の13位には、「半沢直樹」の池井戸潤、「永遠の0」の百田尚樹(ひゃくたなおき)、「天地明察」の冲方丁(うぶかたとう)ら話題性のある作家陣が名を連ねている。次なるヒットメーカーが潜んでいるのは、このあたりだ。

映像化されやすい小説とは

「特殊な職業など、知らない世界を見せてくれる原作は注目されやすい」と分析するのは、エンタテインメント小説に詳しい書評家・大森望氏。13位の高殿円(たかどのまどか)「トッカン」は特別国税徴収官を、三浦しをんの「舟を編む」は辞書編集者を描き、大ヒットした。

さらに大森氏は「民放の1クールは約10回。その枠に合わせるために、連作短編集が使われがち」とも考察する。連作からなるドラマには、個性的な主人公が1話完結で謎を解く形式が多い。「ガリレオ」(東野圭吾)や「謎解きはディナーのあとで」(東川篤哉)がよい例だ。ドラマ側のニーズに合わせて、作家がシリーズ作の短編を描き足すケースも出てきている。

「新しいのは、今夏のドラマ『半沢直樹』と『名もなき毒』が、長編小説2作を足して1ドラマにしたこと。『半沢~』では、主人公や主要キャストは固定で、中盤で大阪から東京へ舞台を移した。原作1作の内容を引き延ばすより、2作を足した方が物語の厚みも増して面白くなるでしょう」(大森氏)

池井戸潤原作「空飛ぶタイヤ」、相場英雄原作「震える牛」などを成功させた、WOWOWのプロデューサー・青木泰憲氏も、「分量」に言及した。「多くの長編小説は、ドラマの6~8話で描くのに適した内容だと思う。WOWOWの視聴者は映画のように集中して見てくれるので、長編を5話程度に凝縮させて濃密にしています」(青木氏)。

映像が人気作家に後押し

青木氏はさらに「まだあまり映像化されたことがない作家を探すようにしている」と、独自の観点を示した。

「ベストセラー作家の作品はクオリティーも高いが、どの局も目を向ける。地上波との差別化を常に考えています」と明かす。青木氏は2012年6月、知る人ぞ知る作家だった相場英雄の小説「震える牛」を連ドラとして放送した。スポンサーへの配慮で民放では扱いにくい「食品偽装」という題材を、硬派に描いたことで話題に。原作の発行部数は、累計28万部を超えた。

「次は相場さんの警察小説『血の轍』を、2014年1月から放送する(1月19日放送開始)。出版社はドラマに合わせて、放送開始前に文庫化してくれました。『震える牛』の熱が、視聴者にも原作を売ってくれた書店員さんにもまだ残っている。間を置かずに同じ作家の2作目を作ることで、映像と小説のどちらにも盛り上がりが作れると思っています」(青木氏)

映像化のヒットが、埋もれていた作家、小説に光を当てる傾向は今後も強まっていくだろう。

(ライター 土田みき、平山ゆりの)

[日経エンタテインメント! 2013年12月号の記事を基に再構成]

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