アート&レビュー

名優、高倉健さんをしのぶ

好演引き出す高倉健さんの“雑談力” 撮影現場にみる男の作法(1)

2012/8/20

高倉健さんが6年ぶりに出演する映画「あなたへ」(8月25日公開)。2カ月半にわたる製作過程を記録した撮影日誌から、演技に臨む俳優それぞれの流儀やスタイルが伝わってきます。なかでも主演の高倉さん自らムードメーカーになり、共演者の好演を引き出している様子が目を引きます。その飾らない人柄は日経電子版「高倉健のダイレクトメッセージ」でも紹介していますが、今回は撮影日誌を元に、舞台裏の「高倉さんワールド」にご案内します。

刑務所の指導技官を務める倉島(高倉健)は亡くなった妻が最後の絵手紙に託した真意を探して旅に出る(映画「あなたへ」から)

「実は健さん、かなりのお喋(しゃべ)りでとても気さくな方」(撮影日誌2011年9月7日、クランクイン)

高倉さんを目の前にしたら、スタッフからエキストラまで緊張でコチコチになってしまいそうです。そんな現場の雰囲気を和らげたのが、高倉さんの自然でユーモアに満ちた雑談だったようです。

映画「あなたへ」は刑務所で指導技官を務める主人公、倉島英二(高倉さん)が亡くなった妻、洋子(田中裕子さん)の遺骨を彼女のふるさとの海に散骨するため、自家製のキャンピングカーで富山から長崎まで旅をするという設定です。旅の途中に出会う一癖も二癖もある人物たちとの触れ合いがストーリーに奥行きを与えます。

撮影初日は小学校の体育館を借りて、刑務所への歌手の慰問シーン。“受刑者”の役など250人ものエキストラが動員されました。そこで高倉さんは早速「かなりのおしゃべり」ぶりを発揮したようです。

エキストラの一人に「何年(刑務所に)入られてるんですか?」。

これには話しかけられた方も驚くやら、うれしいやら。一気に撮影現場がなごんだようです。

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