大地のように不動の高倉健さん撮影現場にみる男の作法(2)

どこからつついても動じない高倉さんについて、たけしさんはこんなことを言っています。

祭りや穏やかな漁港の風景など、懐かしさを覚えるシーンが作品の基調となっている

「夜叉から26年歳とってるはずなんだけど、何も変わっていないっていうか。こっちは昔の夜叉みると『おれもずいぶん歳とったなあ』って思うんだけど、健さんはほとんど変わってねぇなって。みんなそうだと思うんだけど、ホッとするんだよね。ホッとするんだけど気安くないっていう、何だろう、こう菩薩の凄(すご)いのとかさ、仏像の凄いのの前に立ったみたいな感じがして、緊張してんだけど楽っていう、何か違う世界の人だなという。居心地がいいし」(撮影日誌2011年10月17日)

座らない高倉さんを座らせてしまったたけしさんもすごいのですが、適当に突っ込ませておきつつ、軽くアドリブで受け流す高倉さんはまさに「菩薩の凄いの」というべきでしょうか。

不変、不動の大地のような高倉さんの大きさが伝わってくるようです。

映画「あなたへ」  「新網走番外地」シリーズ、「鉄道員(ぽっぽや)」などでタッグを組んできた高倉健さんと降旗康男監督のコンビ20本目となる作品。脚本は降旗監督が市古聖智氏の原案を脚本家の青島武氏とともに練り上げたオリジナルストーリー。亡き妻から、時をおいて届けられた絵手紙。そこには生前知らされることのなかった「故郷の海に散骨してほしい」との最後の願いが記されていた。託された想いを胸に富山から長崎へ、1200キロの旅に出る主人公。途中で出会う、平凡そうだがどこかに影のある人々とのふれあいが、懐かしく美しい日本の風景を背景に、詩情豊かに描かれていく。