旅行・レジャー

京都ここだけの話

新幹線の線路を阪急が走った 京都の鉄道秘話

2013/4/11

東京では東急東横線と東京メトロ副都心線の直通運転が3月に始まり、ターミナルの再開発と合わせて盛り上がっています。京都の鉄路にも、様々な歴史や話題があります。

【登場人物】
東太郎(あずま・たろう、30) 中堅記者。千葉県出身。人生初の「関東脱出」で京都支社に転勤し半年。取材時もオフの日も突撃精神で挑むが、時に空回りも。子どものころ、イタリアの歌曲「フニクリフニクラ」に出てくる登山電車に乗ってみたいと思っていた。
竹屋町京子(たけやまち・きょうこ、25) 支社の最若手記者。地元出身、女性ならではの視線から、転勤族の「知識の穴」を埋める。スイスの絶景ルートを走る「ウィリアムテル・エクスプレス」で巡る夏休みを過ごしたい、と妄想中。
岩石巌(がんせき・いわお、50) 支社編集部門の部長。立場上、地元関係者との交遊も広く、支社で一番の「京都通」を自任する。海外勤務経験なし。でも、「格安航空もいいけど、パリ・ロンドンはユーロスターの方が楽ですよ」とうそぶいてみたい。

(登場人物はフィクションです)

■幻の「淀屋橋発、鞍馬行き」電車

東太郎 首都圏は鉄道の相互乗り入れや直通運転が発達して便利なんですが、ときどきワケが分からなくなるときがあります。

竹屋町京子 旅行者の私なんか、もっと面食らいますよ。飲み会後に友人が「どうやって帰ろうかな?」と言っている意味が最初は分かりませんでした。A地点からB地点まで複数の行き方がある、なんて……。

岩石部長 首都圏ほどではないが、関西もかつて「私鉄王国」と呼ばれたぐらいだから、鉄道絡みの話題は多いぞ。京阪電鉄の本線だって、昔は三条までだったからな。

暗渠になる前の琵琶湖疎水の上に、京阪電鉄の三条駅が広がっていた(写真中央下、三条大橋の右側)

太郎 えっ、そうなんですか?

部長 平成元年(1989年)10月に出町柳まで延伸し、鞍馬や八瀬と結んでいる叡山電鉄と接続したんだ。乗り換えが必要だが、鉄路の接続は洛北地域の活性化につながった。

京子 沿線の人からすると「電車を乗り継ぐだけで大阪方面へ出られる」っていうのは、すごく便利ですもんね。

太郎 今から四半世紀近く前ですかあ。

部長 じゃあ、そもそも京阪が地上を走ってたことも知らないだろ?

京子 地元の私も、実はよく知りません。

琵琶湖疏水(手前)と鴨川(奥)に挟まれた堤防の上を走っていた京阪

部長 昭和は遠くになりにけり、だなあ。駅でいえば七条から終点だった三条まで、京阪は鴨川と琵琶湖疏水(そすい)の堤防を走っていた。百聞は一見にしかず。当時の写真を見てもらおう。

太郎 ほんとだ。すごいところを走ってたんですね。

部長 土手に桜が植わっていて、春は風情があった。

太郎 ちょっと待ってください。ということは、五条通や四条通なんかのクルマと平面で交差してたんですか?

部長 その通り。歌舞伎で有名な南座のすぐ西隣にも踏切があったわけだ。線路が地下に潜り疎水も暗渠(あんきょ)になって、今ではその上を4車線の川端通が走っている。

太郎 なるほど。

四条通の遮断機が下り、南座をバックに三条行きの電車が通過(1987年5月)

部長 実は京阪の線路を出町柳からさらに北に延ばし、叡山電鉄と本当につなぐアイデアもあったそうだ。乗り入れだな。ひょっとしたら大阪の淀屋橋発・鞍馬行き、なんていう直通電車が走ったかもしれないんだ。

■「先斗町三条」駅、違和感はありますか?

京子 鉄路に歴史アリ、ですね。そういえば京阪は2008年10月に駅名を変更しています。五条が清水五条、四条が祇園四条、そして丸太町が神宮丸太町です。

太郎 それぞれ清水寺や祇園、平安神宮といった観光名所を織り込んだんですね。

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