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あなたの体は夜ごとに脂肪をため込んでいる 時間栄養学入門(2) 日経ヘルス プルミエ

2011/3/14

図2 健康な女子大生33人に、1食当たり500キロカロリーのの食事を「7:00、13:00、19:00」にとる朝型生活と、「13:00、19:00、1:00」にとる夜型生活をしてもらい、そのときの食事誘発性体熱産生(DIT)を見た。その結果、夜型生活は朝型生活に比べてDITが低かった(データ:日本栄養・食糧学会誌、第63巻、第3号[2010])

一方、最近、栄養学の分野で注目を集めるのが「食事誘発性体熱産生(DIT:Diet Induced Thermogenesis)」。人が消費するエネルギーは、「基礎代謝」と「身体活動代謝」、そしてDITに分けられます。DITは、食べ物の消化吸収や味、香りなどの知覚が働くことなどで消費されるエネルギーですが、遅い時間に食事をとる「夜型生活」をしていると、同じ食事内容でもDITが低下することもわかっています(図2)。

この研究を行った神奈川県立保健福祉大学教授の中村丁次さんは、「DITは1日の消費エネルギーの10~15%を占め、太りやすい人はDITが低いことが分かっています。DITの高低には自律神経が深くかかわっているので、夜型生活では自律神経のバランスが崩れることで、DITが低下するのかもしれません」と分析します。自律神経の働きを整えるためにも、朝型生活が望ましいということでしょう。

とはいえ、どうしても夕食時間が遅くなってしまうことはあるもの。「もしも昼食と夕食の間が7時間以上空いてしまう場合には、夕食の一部を前倒しして間食として“分食”するといいですね。そのとき肝心なのは、夕食の量を軽くすることです」(榛葉さん)。 長時間の空腹後に夕食をとると血糖値の変動が激しくなり、脂肪をため込むホルモンであるインスリンの分泌量が増えてしまいます。分食なら、これを避けることができます。

柴田さんも、「長時間の空腹後に夕食をとるとついついたくさん食べてしまいがち。途中で間食しておけば、夜遅い時間にとる食事の量を、あまり苦労せずに減らすことができます」と言います。

肥満のもとと問題視される間食ですが、賢くとれば食べすぎを防ぐ効果もあるのです。

「誰と食べるか」も大切

朝食、夕食に比べて自由に食べられるのが昼食です。昼にはBMAL1も少なくなり、脂肪が合成されにくいので、脂質の多いものは昼食に食べるのがおすすめです。食べすぎは厳禁ですが、昼食で好きなものを食べれば、ストレスもたまりにくいでしょう。

40代、50代からの食事には「いつ」「何を」食べるのかという、「時間栄養学」の観点が大切です。一方、このほかにも健康のための食べ方のポイントがあります。その一つが、よくかむこと。

「DITを見た研究で、同じものを食べても早食いではエネルギー消費量が低く、よくかむと高いことが分かりました」と中村さん。

また、中村さんの研究では「誰と」食べるのかも食事量や栄養バランスにかかわるといいます。「バイキング方式で好きな物を好きなだけ食べられるようにすると、一人で食べるよりも、恋人など好きな人と食べたほうが食事量が抑えられ、しかも栄養バランスの良い食事内容になっていました」と中村さん。

これからは、誰とどのように食べるか、食環境も考えながら食事をするのが大切なのかもしれません。

(日経ヘルス プルミエ 村上富美、ライター 武田京子)

[日経ヘルス プルミエ 2010年12月号の記事を基に再構成]

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