牛脂注入肉って何? 似た技法フランス料理にも

ピックル液の中身で大きく変わる品質

「ステーキ」に牛脂注入肉を使っていることを表示するレストランも出始めた

ただ、牛脂注入肉は原料となる肉にどんな肉を使うか、ピックル液に何を加えるかで品質が大きく変わってくる。関係者に実態を聞くと、一部には質の悪い牛脂注入肉もあるのが現実のようだ。

食品表示アドバイザーの垣田達哉さんは、「1枚肉なら表面を十分加熱すれば食中毒菌などの問題はないが、牛脂注入肉や成形肉は内部に菌が侵入するリスクがあるので中までしっかり焼いた方がいい。否定するものではないが、適切な表示が不可欠だ」と指摘する。

安全管理についてA社では、解凍時のドリップを検査することで大腸菌やサルモネラ菌などを厳重にチェックしている。この手法だと全ロットの検査が可能で、安全性が高いという。B社も消毒・殺菌・洗浄に気を配っていた。

食物アレルギーの問題もある。牛脂注入肉や成形肉には乳成分や小麦、大豆由来の成分が使われることがある。今回発覚した中にはこうしたアレルギー物質を含むことを表示していなかったケースがあった。実際にはソースにもこうした物質を使うことが多く「牛脂注入肉や成形肉だけをやり玉に挙げるべきではない」(垣田さん)とはいえ、適切な表示は必要だろう。

きちんと表示してあれば、消費者は自分の判断で選ぶことができる。牛脂注入肉は本来、どう表示すべきなのか。

ある焼肉店では「肉をやわらかくする加工を施しています」と書いてあった

飲食店のメニューに適用できるのは景品表示法(景表法)。不当表示から消費者を守る法律だ。日本農林規格(JAS)法や食品衛生法では、飲食店のメニューは対象外となっている。

焦点となるのは景表法の「優良誤認」、すなわち実際より著しく優良であると思わせたかどうかだが、これには明確な基準があるわけではない。

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