越える映画の垣根 米TVドラマは「アメコミ」が熱い海外ドラマはやめられない!~今 祥枝

ハリウッド映画は空前のアメコミブームで、その流れがテレビ界にも到来しています。今期、ABCが力を入れて取り組んでいる新番組『Agents of S.H.I.E.L.D.』は、米国の漫画出版社マーベルコミックの人気ヒーローが集結した大ヒット映画『アベンジャーズ』のスピンオフです。

2013年9月24日の初回放送では、ヒットの目安となる1000万人を超える視聴者数を記録。第2話の放送では30%ほどダウンしましたが、そもそもこの手の作品は熱心なジャンルのファンの心をとらえることができれば、安定した数字をキープできる優良株になり得ます。実際、第3話の放送後に、同局の新番組初のフルシーズン(22話)の制作が決定しました。映画の監督であり、本シリーズの製作総指揮・脚本とパイロット版の演出も手がけるジョス・ウェドン(『ドールハウス』『吸血キラー 聖少女バフィー』)らしく、ツボを心得た作風に評判も上々です。

『Agents of S.H.I.E.L.D.』 映画『アベンジャーズ』のスピンオフ。コールソン捜査官をリーダーとし、兵器の専門家でエースパイロットのメリンダ・メイ、生命科学に精通したジェマ・シモンズ、荒っぽいが仕事ができるグラント・ウォード、兵器技術の専門家レオ・フィッツら個性的なシールドのエージェントたちの活躍をアクション満載で描く。全米では9月24日よりABCで放送スタート。第3話放送後にフルシーズン(22話)の制作が決定した (c)2013 ABC Studios & Marvel

そのストーリーは、時系列的には映画の後日談に当たります。映画では悪者ロキに殺されたはずのフィル・コールソン捜査官が、極秘組織S.H.I.E.L.D.のリーダーとして、おのおの専門性を持つ優秀なエージェントたち(彼ら自身はスーパーパワーを持たない)を率いて活躍するSFアクションです。

コールソンは『アベンジャーズ』のほか、『アイアンマン』シリーズや『マイティ・ソー』などの映画にも登場している、地味ながらも人気のキャラクター。本作の主演であるクラーク・グレッグが全て演じています。リーダーシップを備え、しゃれっ気とちゃめっ気もあり、何より人の良さそうな親しみやすさはとても魅力的。アクションやSFの要素が楽しみな作品とはいえ、やはりテレビシリーズにはこうした好感度の高い、安心感のあるキャラクターが必要です。

今後は、テレビドラマとして独立した展開で進むのでしょうが、ファンとしてはマーベルの映画群がクロスオーバーする世界観のさらなる共有(=シェアード・ユニバース)を期待したいところ。