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新幹線の速さを腕時計で測るには 桜美林大学教授 芳沢光雄

2012/8/14

山手線の速度を測ってみよう(JR神田駅周辺)

 夏休み、家族で里帰りしたり旅行に出かけたりする人は多いだろう。JR在来線の列車に乗っているとき、在来線の列車を遠くから見ているとき、あるいは駅のホームで通過する新幹線を見ているとき、腕時計1つで列車の速度が分かると、子どもたちにとって楽しい学びとなるはずだ。今回はそんな話を取り上げよう。

■乗っている列車の速度を測るには

 JR在来線の線路は、基本的に1本25メートルである(駅の近くやポイントでは短くなっている場所もある)。一方、新幹線は全線ロングレール化している。溶接して1本にしているのである。その両者の違いは、線路のつなぎ目で発生する「ガタン・ゴトン」という衝撃音が聞こえるか否かとして表れる。

 この「ガタン・ゴトン」という音から、在来線の列車の速度が分かるのである。考え方は簡単だ。

 仮に、1秒間に1回「ガタン・ゴトン」という音を聞いたとしよう。1分間だと60回聞くことになる。その間に列車はどのくらい進むのだろうか。音は25メートル進むたびに聞こえ、それが60回なのだから、

 25×60=1500(m)

ということになる。すなわち、分速1.5kmである。時速に換算すると、1.5km×60で時速90kmということが分かる。

 列車に乗っているとき、子どもたちに「この列車は今、時速90kmぐらいで走っているよ」と説明すると「えっ? どうしてそんなことが分かるの?」と驚くだろう。こうした日々の驚きこそが、子どもたちの知的好奇心をくすぐるのである。

■遠くを走る列車の速度は

 今度は、遠くから見た列車の速度を測ってみよう。ここにトンネルがあるとする。5両編成の列車の先頭が入り始めたときから最後尾が入り終わるまで、ちょうど10秒かかった。このとき、列車の速度はどのくらいだろうか。

 JRの場合、在来線の車両は大半が1両20m(地下鉄銀座線や東急東横線など一部で20mより短い車両もある)。5両編成だと列車の全長は100mとなる。そこで、この列車は100mを10秒で走行する速さだと分かる。これは分速で考えると100m×6で0.6km、時速に直すとさらに60をかけて36kmとなる。

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