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Windows Phoneの「Office」は使えるのか

モバイル版Word、Excel、PowerPointの機能と使い勝手を徹底検証

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NIKKEI STYLE

KDDI(au)がマイクロソフトの携帯端末向けOSの最新版Windows Phone 7.5を搭載したスマートフォン「Windows Phone IS12T」を、8月25日から販売している。「メトロ(Metro)」と呼ばれる新しいユーザーインタフェースを採用し、マイクロソフトのクラウドサービスと連携することが特徴だ。加えて、「Microsoft Office」のモバイル版を搭載し、WordやExcel、PowerPointのファイルをそのまま扱える点をウリとする。

カタログを見ても、「直感的操作でOfficeもエンタメも思いのまま」「パソコンで作成したOffice文書がそのまま使える」などと、Officeを使えることが強調されている。普段からWordやExcelを利用するビジネスパーソンにとっては、スマートフォンでもOfficeが使えるのは大きな魅力だ。店頭でも「Officeが使えるという点と、動作の高速性に注目が集まっている」(ビックカメラ有楽町店本館 携帯電話・PHSコーナーの望月俊治氏)という。

とはいえ、モバイル版のOfficeで、パソコン版のOfficeと全く同じことができるわけではない。マイクロソフト自身も「モバイル版のOfficeで、文書をゼロから作ることは想定していない。モバイル版にそこまでの機能は必要ないと考えている。文書を閲覧したり、ちょっとした手直しをして戻す程度で済む状況を想定している」(日本マイクロソフト 業務執行役員 コミュニケーションズ パートナー統括本部長の横井伸好氏)としている。そこで本稿では、Windows PhoneのOfficeで実際に何ができるのか、その使い勝手はどうなのかをリポートする。

ファイルはネット経由で取り込む

Officeの機能を紹介する前に、そもそもWindows PhoneにOffice文書を取り込む方法から解説しよう。Windows Phoneは、USBケーブルでパソコンと接続できるが、この接続を通じて転送できるデータは音楽、写真、動画などで、Office文書ファイルは転送できない。

またWindows Phoneでは、メモリーカードを介してファイルをやり取りすることもできない。KDDIのIS12Tにはそもそもメモリーカードスロットがないが、メモリーカードスロットを搭載する製品でも、それは内蔵メモリーの拡張用で、パソコンなどに差し替えて読み取れるものではないという。

そのため、Windows PhoneにOffice文書を取り込むには、メールの添付ファイルとして送るか、「SkyDrive」などのオンラインストレージ・サービスを経由する必要がある。マイクロソフトはWindows Phoneを「最強のクラウド端末」と呼んでいる。まさにクラウドを前提とした作りになっているわけだ。

一見この点は不便そうに思えるが、考えてみれば、スマートフォンでOffice文書を持ち運ぶために、わざわざUSBケーブルで接続してファイルを移動したり、コピーしたりするケースは少ないだろう。むしろ、スマートフォンで受信したメールにOffice文書が添付されていた場合や、スマートフォンで閲覧していたWebページでOffice文書が公開されていた場合などに、その場で開いて確認するような使い方が多いに違いない。

また、自分がパソコンで作成したOffice文書を外出先でも確認できるようにしたい場合は、ファイルをSkyDriveに保存しておけばよい。ケーブルをつなぐなどの手間はかからず、Webブラウザーにドラッグ・アンド・ドロップするだけでアップロード可能だ。Office 2010なら、SkyDriveに直接ファイルを保存することもできる。

Windows Phoneでは、ファイルが端末内にあるのか、SkyDrive上にあるのかをほとんど意識することなく、同じ感覚で利用できる。ネット上のファイルを開くので、動作が重いと思われるかもしれないが、実際に使ってみると、SkyDrive上のファイルでもストレスなく利用できた。通信環境や電波状況にもよるが、100KB(キロバイト)程度のファイルなら、3G(第3世代携帯電話)回線でも数秒で開ける。

さらにSkyDrive上のファイルでも、一度開いたファイルはWindows Phone内にキャッシュが自動保存される。従って、2回目以降はネットにつながらない状態でも閲覧や編集が可能だ。このファイルは、ネットにつながった状態で再び開いたときに、SkyDrive上のファイルと同期される。

基本的なWord文書は問題なく読める

では、Word文書の再現性から見ていこう。一例として、マイクロソフトがWebで公開しているOffice 2010に関する技術文書を開いてみた。

モバイル版のWordは、小さい画面でも内容が読みやすいように、1行の文字数を20文字程度にして自動的に折り返す仕様になっている。パソコン版のWordでいうと、「Webレイアウト」と呼ばれる表示モードに相当するものだ。

これによって、ページのレイアウトは再現されないが、Webページやメールの文章を読むように、Word文書を閲覧できる。文書内に挿入された画像やグラフ、表も再現された。

ただし、表は元の横幅が保持され、画面の右端で文章が折り返されない。そのため、表全体を確認するには、左右にスクロールする必要がある。文書全体を表組みにして凝ったレイアウトを実現したり、入力欄をたくさん設けた申請書などを作成したりすることがあるが、こうした文書では閲覧に一苦労しそうだ。また、表全体を見渡そうにも、全体を縮小して表示することはできない。

図形やSmartArtは再現できない

このようにWord文章内に挿入された表については、閲覧に苦労することはあるが、内容がきちんと保持されているので大きな問題はない。ところが、全く表示されない要素もあるので注意が必要だ。具体的には、ヘッダー/フッター、描画した図形、SmartArtなどである。図形内に文字を入力してフローチャートを作成することがあるが、これらはWindows Phone上で再現されないので気を付けよう。

しかし、このように文書の一部が欠落してしまう場合にも、閲覧するだけなら対処法がある。Webブラウザー「Internet Explorer」を使って、Webアプリ版のWordである「Word Web App」を利用すればよい。このWebアプリ版のWordは、SkyDrive上で利用できるので、ファイルがSkyDrive上にない場合は、SkyDrive上に保存する。その上で、OfficeハブでSkyDriveを選択し、「ブラウザーで開く」を実行。SkyDriveのWebページが開いたら、ファイルを選択すればWebアプリ版のWordが開く。

Webアプリ版のWordは、モバイル向けWebサイトのSkyDriveページと、パソコン向けWebサイトのSkyDriveページで機能が異なる。モバイルサイトでは閲覧のみ可能で、「イメージ表示」を選ぶことによって、元文書のイメージを正確に再現できる。閲覧は1ページずつで、拡大/縮小などの操作が可能だ。パソコンサイトのSkyDriveページでは、元文書を忠実に再現した「閲覧表示」が利用できる。このパソコンサイトは、Windows Phoneでも開くことができ、タッチ操作でスクロールしてページを進められるなど、使い勝手がよい。

なお、これらはWindows PhoneではなくSkyDrive側の機能なので、iPhoneなど他のスマートフォンでも利用可能だ。同様にWebアプリ版のExcelやPowerPointも用意されている。

簡単な文字編集やコメントの挿入が可能

続いて、編集機能を見てみよう。モバイル版のWordが備えるのは、簡単な文字の編集機能にとどまる。文字の入力、削除のほか、コピー・アンド・ペースト、基本的な文字書式の設定くらいだ。また、コメントを挿入する機能を搭載している。

編集機能としては貧弱だが、スマートフォン上で文書をゼロから作成したり、画像や表を盛り込んだ凝ったレイアウトの文書を作成したりすることは考えにくい。モバイル版の用途としては、基本的には閲覧が中心だ。加えて、ちょっとした文字直しができれば、実用上は十分だろう。仕事仲間からメールで文書の確認依頼が送られてきたときに、外出先でそれを確認し、必要な修正を加えて返送する――といった活用法が考えられる。その意味でも、コメント機能が使えるのはありがたい。

Windows Phone上で行った文字の編集やコメントの追加は、もちろんパソコン版のWordで開いたときにも反映される。モバイル版のWordで上書きしたにもかかわらず、モバイル版では表示されていなかった書式や図形などが、きちんと保持されている点はさすがである。

モバイル版Excelの実力は?

モバイル版のExcelについても、位置付けはWordと同様だ。表やグラフ、数式など基本的な要素は大方再現でき、閲覧には申し分ない。ただし、少し高度な機能を利用したファイルでは、一部表示されない要素が出てくる。

具体的には、画像や図形のほか、条件付き書式やピボットテーブル機能、Excel 2010のセル内グラフ(スパークライン)といった要素は再現されなかった。また注意したいのは「セルの結合」だ。Excel 2007/2010形式(拡張子はxlsx)のファイルでは、セルの結合も正しく再現されたが、Excel 2003形式(拡張子はxls)のファイルでは、結合が解除されてしまった。

とはいえ、一般的なExcelの文書は、表とグラフが中心だろう。仕事に必要な商品一覧表や販売データ、見積書や納品書などを持ち運んで確認するぐらいなら、実用上問題ない。必要な資料をいつでもどこでも確認できるメリットは大きいといえる。

並べ替えにフィルター、関数は実用レベル

編集機能について見ると、並べ替えやフィルターなど、データを閲覧するときに便利な機能が備えられている。モバイル版のWordと同様、コメントも挿入可能だ。

関数も一通りそろっているので、多数の数式が盛り込まれたファイルでも計算やデータ処理が正しく行われる。自分なりの数式を作って新たな分析をすることも可能だ。ちなみに筆者は、シートに取り込んだ駅の時刻表を検索して、現在時刻に最も近い列車の出発時刻を表示させるシートを関数を使って作成し、持ち運んでいる。同様の機能を備えるスマートフォン向けアプリもあるが、普段から使っているExcelを利用して、自分なりの"簡易アプリ"を作れるのは、Windows Phoneならではだろう。

なお、モバイル版のExcelは、漢字の「ふりがな」機能に対応していない。ふりがなを表示するPHONETIC関数も搭載していないので、住所録ファイルなどでPHONETIC関数を使っている場合は注意が必要だ。PHONETIC関数など対応していない関数が使われているファイルは、編集が禁止された状態で開く。モバイル版で編集したときに、データが欠落してしまうことを防ぐための仕様だろう。

PowerPointのスライドを外出先で確認

最後に、モバイル版PowerPointの機能を見ておく。モバイル版のWordやExcel以上に、PowerPointは閲覧中心の利用を想定して作られているようだ。ファイルを開くと、自動的に画面が横向きになり、スライド表示が始まる。横方向になぞってスライドをめくれば、次々とプレイステーションを閲覧することができる。

画面の右側(端末の下側)をタップするすると、操作用のアイコンが現れる。「アウトライン」をタップすると各ページのタイトルが一覧表示されて、ページを移動できる。また「メモ」のアイコンをタップすると、パソコン版のPowerPointでいう「ノート」を表示させることができ、編集も可能だ。「編集」アイコンをタップすると、文字が入った枠が一つずつ選択され、もう一度「編集」アイコンをタップすることで、選択された枠内の文字を編集できる。

モバイル版のPowerPointで編集できるのは、タイトル枠やテキストボックス、図形など、文字の入った枠内のみ。そのほかの要素は編集できないので、ごく簡単な文字直しに限られる。特に、SmartArtや表の中の文字が編集できない点には気を付けよう。

とはいえ、スマートフォン上でプレゼン資料を細かく編集することは通常考えられないから、大きな問題はないだろう。ちなみに、Windows Phoneでは、WordとExcelのファイルを新規に作成することはできるが、PowerPointのファイルを新規に作る機能はない。

最後に、WordとExcel、PowerPointに共通する注意点として、パスワードで保護されたファイルはWindows Phoneで開けないことは覚えておきたい。また、Office 2003形式のファイル(拡張子はdoc、xls、ppt)は、閲覧のみ可能で編集できない点にも気を付けよう。

(日経パソコン 田村規雄)

[PC Online 2011年9月8日掲載]

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