お金はこうして増えていく 億万長者3人の軌跡

「日経マネー」が2012年2月に実施した個人投資家調査では、金融資産が1億円以上の億万長者が50人いました。今回はこれらの億万長者を取材し、億万長者がどのように資産を増やしていったかを紹介します。

調査で「金融資産が1億円を超える」と回答した億万長者のほとんどは、会社員などから社会人生活のスタートを切っていた。中には、今でも会社勤めの人もいる。立場は世の大半の人と変わらないのに、彼らはなぜ億万長者となることができたのだろうか。今回は3人の億万長者への取材を基に、彼らのこれまでの道のりをたどった。

[事例1]リーマン・ショック直後に8400万円の売却益

佐々木純さん(仮名) 44歳・男性

佐々木さんの資産ポートフォリオ

1990年初頭のバブル期に大学時代を過ごした佐々木純さん(仮名)は、在学中から日本株取引を始める。最初に購入したのは三井東圧化学(現・三井化学)株。その後も大型株を中心に運用した。

バブル崩壊後の大型株は低調と考えがち。だが、相場の激変期に谷で買い山で売れば十分もうかることを佐々木さんは証明してきた。その典型例とも言える取引を、佐々木さんはリーマン・ショック直後に行った。

金融株が連想売りされる中、東京海上ホールディングス(HD)株を売られ過ぎと判断、08年11月に1820円で購入、09年1月に2400円程度で売り抜け約5000万円の売却益を得た。同じ頃に三井住友フィナンシャルグループ(FG)株を売買し、約3400万円を得た。取引ではRSIなど過熱感を表す指標や信用倍率などを参考にする。

当面の狙い目は日経平均株価との連動性が高い金融株。NTTやNTTドコモなど配当利回りが高く、ボックス圏で値動きする安定銘柄も狙いたいとする。目下の悩みは、通常と違うスタイルで仕込んだ日本電産株で含み損を抱えていること。個別の勝ち負けにこだわらず「相場全体で勝つ」という切り替えが必要だったと反省する。

 
●佐々木さんのおカネはこうして増えた
1990年代初頭
・大学3年生の頃から、アルバイト代(月20万円)などを原資に株取引を始める。
・三井東圧化学(現・三井化学)株を購入。売るタイミングをつかめず損を出す。
・サービス業に就職。会社の持ち株会に入る。
・1998年にNTTドコモのIPO(新規株式公開)を割り当てられ、2000万円の利益。
2000年初頭
・30歳で年収は1000万円、30代半ばに年収1300万円で頭打ちの状況。
・仕事に忙しくおカネを使う暇がなく、残ったおカネは株投資などに回す。
2003年ごろ
・みずほFG、三井住友FGなど金融株などでもうける。
2005年
・3月上場のガンホー・オンライン・エンターテイメントのIPOで7株当たり500万円ほど利益出す。
・私募投信に1000万円投入、200万円ほど損を出して撤退。
2007年ごろ
・会社を退社、家業を継ぐ。会社が新規上場していたため持ち株会の株で2000万円以上の売却益を得る。
・再び別の私募投信を購入するも、マイナスで撤退。
2008~2009年
・リーマン・ショックの後の11月、東京海上HDを1820円で8万3900株購入、09年1月に売り5000万円ほど利益。
・同じころに三井住友FG株の取引で、3400万円ほどの売却益を得る。
2011年
・全資産の7割近くの資金を投入し日本電産株を購入、含み損の解消が課題。
・東日本大震災の後、NTT株を短期取引、利益を出す。
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