もちろん、解体する時が来たとしても、木そのものを壊す必要はない。基礎がシンプルにできているから、ユニットを外せば再利用できる。移設を想定しているのであれば、あらかじめ移設向けの設計をする必要はあるものの「60年使うと考えて、1、2回の移動は現実的に視野に入れられる」という。街中から、地方へと家ごと引っ越すことも可能ということだ。

ライフスタイルの変化に伴い、自分の“住まい”を変えられる。これこそが本当の家の性能、生きている家の性能だと村井氏は考えている。

ライフスタイル同様、住宅の断捨離へ

それからもう1つ、エアロハウスは今後、人の自由度を上げること、エコであること以外に、シンプルにすっきり暮らすためのマイクロハウス(コンパクトハウス)になると考えられる。

建築家/ソーラーデザイン研究所代表 村井正氏

村井氏は現在、世界規模で、マイクロユニット、マイクロハウスという潮流があるという。つまり、小さい家に住むということだ。車同様にダウンサイジングの傾向が、住宅にも表れてきている。

ここにはリーマンショック以降の経済不況も関連している。米国では「タイニーハウス」、すなわち超小型住宅が人気だ。例えば、間取りは小さなキッチンと洋室(寝室)だけ。家が小さい分、光熱費も減るし、物を増やせないので、シンプルライフを送れる。

マイクロハウスやタイニーハウスは、日本でも、昨年末から話題の「断捨離」に通じるものがある。村井氏は「人は5坪の家でも過ごしていける」とまで話す。実際に、エアロハウスの施主の中には、バスルームはつけなくていいという人もいるそうだ。地方ならば、車でちょっといけばスーパー銭湯がある時代。自分の持ち物は最低限で、1つ買ったら1つ手放す。ライフスタイル同様、住宅の断捨離は、これからのトレンドになるかもしれない。

(日経トレンディネット 山田真弓)

[日経トレンディネット2011年11月7日掲載]

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