一般木造住宅以上の耐震性、断熱性、耐久性、気密性の性能を持ち、不整地や傾斜地での建設にも対応する

箱型になっていると、衝撃による耐久性を心配するかもしれないが、それはもちろん幾多の実験で実証済み。輸送にも耐えうる強固さだ。また頑丈であるがゆえに、基礎を最小限にすることも可能にしている。造成なしで、耐震性を持った建物ができるので、不整地や傾斜地でも、大幅に土地をならす必要がなく、造成費の削減につながる。

とはいえこれは、コストを下げるべく、許可されるぎりぎりの構造設計や材料選択をしてできたローコスト住宅とはまったく異なる。構造材はむしろ一般住宅では使われない大きなサイズのものを使用している。つまり単価は割高。それでも50万円/坪くらいの事例もあり、平坦な土地でエアロハウスの標準基礎工事、建て方で対応できる敷地の設定においては、22.5坪で予定工事価格850万円のエアロハウスもあるという(設備、内装以外はすべて含む)。

竣工=完成ではなくライフスタイルの変化に対応

一般住木造住宅の概念を覆すような大胆な構造のエアロハウスを設計したのは、ソーラーデザイン研究所代表で建築家の村井正氏だ。

壁の変更や水回りの移動も容易な構造。さらにフロア・マウント工法により建築後にいつでも2階、3階の床の増減が可能

長年デザインコンサルタントとして鳥取環境大学、資生堂掛川工場等、多くの大規模プロジェクトを手がけてきた村井氏は、以前から住宅を手がけたいと思っていた。同時に環境負荷を与えない建築、大地を傷つけない建築を追究し、やがて現代の日本では、住宅が27年~33年で壊されてしまうということを知った。これは建築材の耐久性の問題からではなく、ライフスタイルの変化が原因であることがほとんど。例えば家族6人で暮らしているときには広いほうが使い勝手がいい。しかし子供が独立し、やがて1人暮らしになれば、広さは負担になる。実際に広い家を手放し、マンション暮らしをするようになった高齢者も少なくない。

手放された家は、たいてい解体の憂き目を見る。しかも一般木造住宅の場合、基礎をコンクリートで固めているため解体作業に手間も費用も掛かる。「重機を使った場合でも、解体費用に1平米あたり1万5000円かかることもある」(村井氏)。もし、木材を再利用するために解体を手仕事にすると、費用はさらに跳ね上がる。結局、予算からすると解体して廃材にするしかなくなるケースがほとんどだ。

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