構内に大空間 新宿駅、東西通路が変える人の流れ

自由通路は「30年来の悲願」

新宿駅は東西の行き来が不便な駅だ。1番線から16番線まである線路が、東西をぶっつり分断している。

東西自由通路が完成すれば、駅を迂回せずに東西を行き来できるようになる(JR東日本提供)

改札を通らずに行き来するルートは(1)駅北側にある地下通路「メトロプロムナード」(2)同北側の「角筈(つのはず)通路」(3)南口前の甲州街道――の3つしかない。角筈通路のさらに北には靖国通りがあるが、駅からはかなり離れている。実際に3つのルートを歩いてみたが、ずいぶん遠回りする印象だ。

新宿駅北側にある「角筈通路」は旧青梅街道。数少ない東西通路の一つだが、狭い

今回整備される自由通路は、東側が商業ビル「ルミネエスト」、西側が小田急百貨店とつながる場所となる。駅周辺を迂回する必要がなくなり、東口と西口を気軽に行き来できそうだ。

それにしてもこの通路、「地元の要望があってから着工に至るまで30年以上かかった」(新宿区の都市計画担当者)という。なぜこれほどの時間を要したのか。

JR東や新宿区、東京都に尋ねたところ、「合意形成に手間取った」と口をそろえる。「100億円を超える事業なので……」。費用負担を巡り、議論があったようだ。

そもそも自由通路は、1980年代前半に新宿区が当時の国鉄に要望を出したのが始まりだった。JR東日本となってからも「新宿区の悲願」として要望を続け、1994年(平成6年)、東京都やJR東、小田急電鉄など関係者を集めた「新宿駅東西自由通路調査検討委員会」が発足した。

西口地下から新宿三丁目方面へと延びるメトロプロムナード。駅の北側にある

1997年(平成9年)には東京都の整備計画に組み込まれ、2000年代前半になってJRの通路を活用することが決まった。最終的な合意に達したのは2008年(平成20年)だった。

JR東によると、「通路の幅を巡って複数の案が出て、その検討に時間がかかった」という。通行量がさらに増える可能性に備えて40メートルに広げる案があったが、線路を動かす必要があるため工期・工事費が膨れあがり、現実的ではないと判断したようだ。

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