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働き方・学び方
集まれ!ほっとエイジ

2013/1/11

集まれ!ほっとエイジ

仏では血縁関係ない家族が受け入れる制度

――単身高齢者を支えるような仕組みは考えられないのでしょうか。

米山 フランスの例なのですが、独居の高齢者を血縁関係のない家族が受け入れるという制度があります。ある程度自立できるのですが、将来に不安のある人が月額1500~2000ユーロのお金を払って受け入れてもらいます。受け入れる家族については行政が審査します。

――高齢者住宅の場合、だれと一緒に住むか、周りの支援はあるかなど、サービスとかコミュニティーといったソフト面がいかに充実しているかがこれからは大切になってきますね。

米山 サービス付き高齢者向け住宅でも、多世代交流型のようなものが求められています。

子育て世代を近くに住まわせたり、交流スペースを設けて子どもと高齢者が接することができるようにしたりしています。若い夫婦がでかけるときに高齢者が子どもの面倒をみてあげるといった交流が始まることが期待されます。民間でもこうしたことに取り組む事業者が出てきて、地域の中で自律的な交流が生まれてくると、高齢者も孤立しないで済むと思います。

住宅双六の「上がりの先」も想定を

――訪問介護を考えると、高齢者ばかりが入居していたほうが効率的に介護できるのでいいのでしょうが、コミュニティーを考えると、高齢者以外の世帯が入居するような住宅のメリットが大きいですね。

米山 地域全体で支えるほうが結果的には介護も効率的にできる面があります。しかし、多世代の混住を促進するような制度、仕組みは、まだ、ほとんど考えられていないというのが現状です。

――空き家は危険だという話がある一方で、空き家は活用の仕方を工夫すれば新しいコミュニティーの拠点になる可能性がありますね。

米山 現在、取り壊しが検討されているような空き家は、いまから40~50年くらい前に建てられた住宅です。質が良くなくて、引き継ぎにくいという面があります。けれども新基準になった81年以降の物件であれば原則として耐震性も問題ありません。最近ですと「長期優良住宅」という形で長持ちする住宅を税制上優遇する制度もあり、だんだん優良な物件が増えてきますので、今後の空き家を積極的に活用する枠組みを適用しやすくなります。

そういう活用法が増えてくれば、家を持っている人も住んでいる間の手入れをしっかりするようになり、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームに移るときに資産として活用できるようになります。中古住宅がうまく流通するようになり空き家の問題も解消すると思います。

従来は住宅双六(すごろく)といって、単身者向けアパートとか寮から始まって、結婚して広めのアパートに移って、最終的に分譲マンションや一戸建てを買って、上がりだったのですが、これからはその先があります。将来自分がサービス付き高齢者向け住宅に移るときに賃貸化、あるいは売却できるような家を選択することが、いまの若い人には重要です。買った後はメンテナンスをしてむしろ価値を高めていく。立地と手入れが重要です。

(ラジオNIKKEIプロデューサー 相川浩之)

[ラジオNIKKEI「集まれ!ほっとエイジ」2012年10月24日、31日放送の番組を基に再構成]

「集まれ!ほっとエイジ」は、変化を恐れない果敢なシニアたち=ほっとエイジが、超高齢社会をどう生き抜くか、を考えるラジオNIKKEIの番組(http://www.radionikkei.jp/hot-age/)で、日経電子版には2012年放送分を再構成して掲載しています。1月11日からは「集まれ!ほっとエイジ ワイド」として毎週金曜日11:35~12:30に生放送でお送りしています。キャスターは相川浩之、町亞聖。

空き家急増の真実―放置・倒壊・限界マンション化を防げ

著者:米山 秀隆.
出版:日本経済新聞出版社
価格:1,470円(税込み)

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