「先生を変えて様々なダンスに触れると、個人の技術の向上につながりやすい。一方、1人に任せると先生の色がグループとしての個性になるため、集団としてのカラーが出しやすくなる」と竹中氏。このため、デビュー2~3年のグループでは、まずカラーを浸透させるため、1人に任せているところが多いようだ。SUPER☆GiRLS、東京女子流、PASSPO☆などは、デビュー時から振付師は変わっていない。AKB48も劇場立ち上げ期はモーニング娘。などを手がけた夏まゆみ氏、ブレイク期には牧野アンナ氏が長く担当していた。

グループアイドルと担当した振付師。2012年1月~2013年2月にリリースしたシングル曲の振付師を対象に「固定型」「変動型」を振り分けた

フォーメーション重視か、個性を強調か

ただし、同じ振付師が手がけていても、グループの置かれたポジションやメンバーの状況によって、振りの方向性が変わることはある。

デビュー以降フォーメーション重視の振り付けだったSUPER☆GiRLSは、2012年10月のシングル『赤い情熱』では、サビでほとんど立ち位置を変えず、個人のダンスをしっかり見せる方向に変化した。グループの振りを手がけるAKIKO氏は「デビュー3年目に入り、今のテーマは『挑戦』。より複雑でかっこいい動きを取り入れたダンスで、真っ向勝負に挑む勢いを表現した」と語る。

逆に、竹中氏が「個人のダンスを強調する形から、フォーメーションを見せる形に変わった」と指摘するのはモーニング娘。だ。この2年で顔ぶれが大幅に変わったことから、新規メンバーのスキルを育成するため全体で見せる振り付けを採用しているのではと見る。

竹中氏はももいろクローバーZにも変化が見られるという。

「もともと身体能力が高くて、ちゃんと踊れるグループですが、メジャーデビュー後はエビぞりジャンプや側転など、“つかみ”を狙って大技を取り入れていた面もあった。でも、5人の名前が浸透したことで、最近はデビュー前のような、メンバーそれぞれのダンスを見せる形に戻ったように思えます」

また、振りには“はやり廃り”もある。竹中氏は「最近は多くのグループがK-POPの影響を少なからず受けている」と指摘する。

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