【トヨタが爆笑問題を起用したワケ】

2011年から本格スタートした爆笑問題のCMの1つにトヨタの中古車ブランド「T-Value」がある。何かと不透明な印象がつきものだった中古車市場において、徹底した透明化で業界に一石を投じているブランドだ。数ある出演者候補のなかで、爆笑問題を起用した理由は何か。トヨタマーケティングジャパンの西塚淳氏に聞いた。

「T-Value」は新しいブランドなので、本格立ち上げにあたって知名度のあるタレントさんの力を借りたかったという背景があります。さらに中古車ブランドということで、お客様の疑問に対してしっかり答える姿勢も伝えたいという思いもありました。特に今回はそれを出演者に代弁してもらうことになるので、知的で説得力を兼ね備えた人物が必要でした。そこで挙がったのが爆笑問題さんです。

西塚淳(にしづか・じゅん)  トヨタマーケティングジャパン・プロデュース局アド制作室グループリーダー

ズバズバものを言う芸人さんは多いですが、その人の人間性やポリシーまで透けて見えてしまうのがいまの世の中です。爆笑問題さんは、ただ面白いだけでなく、芸に対する真剣さやこだわりの部分が見えているのも決め手になりました。

最近の消費者の傾向として、お得感や安さよりも信頼感や安心感を商品やサービスに求める方が増えています。また、CM界の流れとして、商品のよさを押しつけるタイプのCMよりも、「あなたはここから何を感じますか?」と、視聴者に委ねるCMのほうが心に響く傾向にあります。そんななかで、爆笑問題さんは「ブレない」「媚びない」というキャラクターが浸透していて、「T-Value」の真摯な姿勢を感じてもらうのにうってつけの存在でした。

今回撮影したCMでは、太田さんが女性や赤ちゃんに扮装して「中古車選びは不安で心配」というお客様の気持ちを代弁しています。太田さんと田中さんのかけあいで伝えることによって、面白さと同時に説得力を持つCMになったと思います。

個人的にもお二人の芸風はとても頼もしく拝見していました。これからもずっと「ブレない」「媚びない」姿勢を変えることなく楽しませて欲しいなと思っています。

(ライター 遠藤敏文、日経エンタテインメント! 木村尚恵)

[日経エンタテインメント!2011年12月号の記事を基に再構成]

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