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結成23年 爆笑問題がまだ忙しくなるワケ

日経エンタテインメント!

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NIKKEI STYLE

お笑い界の中でも独自の地位を築いている爆笑問題。大人向けの教養バラエティから子ども番組まで、幅広い企画に対応できる全方位型芸人として安定した人気を誇る。

2011年10月にはMCを務める『爆報!THE フライデー』(TBS系)、『ストライクTV』(テレ朝系)という2本の新番組がスタートした。この1年ではCM本数も増え、個々の活動も多角化。結成23年を超えて2人に対するニーズはどんどん高まっているように見える。 快活自在にボケ倒す太田光と、それをたしなめるようにツッコむ田中裕二のスタイルは昔と変わらない。ベテランといえども、浮き沈みが激しい世界で、ますます求められる秘訣は何なのか。

………………………………………………………………………………

──「爆笑問題」といえば媚びない芸風で、それがカッコよさにつながっているように見えますが本人としてはそう言われることについてどう思いますか?

太田 俺なんか媚びまくってるけどね。『日経エンタ!』さんにはお世話になりっぱなしですよ。

田中 取って付けたように言わなくていいから。

太田 媚びないつもりはないんだけど、自然と嫌われるところが昔からあったよね。気がつくと誰かが怒ってるとか。媚びないっていうのは心構えというより、生まれついての俺の性質ですね。昔から町中の鼻つまみ者でしたよ。

田中 町中から嫌われるってすごいな。

──誰かの影響でそうなった?

太田 もちろんありますよ。ビートたけしさんとか、立川談志さんとか。ただ、考えてみればテレビで見る前からそういう性質を持ってたような気がするんだよね。だから、影響というよりも共感したと言ったほうがいいのかもしれない。

──田中さんはクラスの人気者だったんですよね

田中 人気者というか、僕は人に合わせるタイプだったんです。こいつ(太田)は人に合わせるのが嫌いだから。媚びる媚びないというよりも、迎合するかしないかですね。僕は自分のポリシーとか特にないから。

──そんな2人がなぜ意気投合できたんですか?

田中 出会った当時にお笑いとか音楽の話を共有できたからでしょうね。好きなものが似てたんです。こいつは好き嫌いが激しいから誰とでも仲良くなれるタイプじゃなかったんで、たまたまですね。

太田 逆に、芸人の世界じゃ田中みたいなほうが珍しいんですよ。芸人は自我が強い奴の集まりだから。

心底からの"笑い"は、まだ

── 今年は震災があって、テレビもいろいろ影響があったと思いますが、お笑い界に感じる変化は?

太田 少し時間は経ちましたけど、震災のことはまだ引きずってるね。お笑いもテレビ界もやりにくい状態がベースにはありますよ。もうちょっと決着をつけたうえで「さあ、笑おうか」ってなりたいんだけど、なかなかそこに行けないっていう。

──これまでの芸歴の中でも一番やりにくい状況?

太田 俺らがデビューした直後って、昭和天皇崩御の年だったんです。いきなり自粛ムードで本当にやりにくい状態だったんだけど、それともまた違いますからね。阪神大震災と地下鉄サリン事件があったころは、その2つで1年間ライブと雑誌連載のネタが埋まったんです。当時はこっちも若手だし、日本の真ん中で起きていることをアンダーグラウンドに近いところから茶化していればよかったけど、いまはテレビに出ている立場だから、不謹慎なことをやるにしても、もっとど真ん中から世の中をひっくり返さないとダメなんです。ただ、今回の震災は、まだ結果が出てないからね。どうひっくり返したらいいのか見えないっていうのが本当のところかな。

──番組を見ている限りでは、演者や作り手がそこまで引きずっているようには見えないのですが。

太田 番組の作り方は震災以前に戻ったけど、それを受け入れる態勢ができていないんですよ。震災前と後じゃバラエティの視聴率も違うしね。純粋にお笑いを楽しむっていう態勢ができていないから真面目に決着をつけないと、気持ち悪さだけが残っちゃうってことなんです。

──決着をつける番組をやる予定は?

太田 やりたいんだけどね。ほんとにあらゆるジャンルの人を一堂に集めて、意見を出し合うようなことができればいいんですけど。

──太田さんは議論好きのイメージがあるから想像できます。

太田 議論好きっていうか、そもそもスルーできないことが多いんですよ。本来は、「いまのは納得できないけど、それは置いといて」って話を進めるんでしょうけど、一度気になると聞いちゃったりして。疑問を投げることが、結果として意見のぶつかり合いになったりもするんだけど、そうなってくると、どんどん相手と分かり合いたくなる。「俺はこう思うんだけど、どう思う?」って。最終的にはケンカしたいんじゃなくて、分かりたいんです。

田中 こいつは思いついちゃったら、「相手が引くだろうな」っていうギャグでも言わずにはいられないんですよ(笑)。

太田 「なんで言ったんだ?」ってことになるんだけど、こっちは「ウケるんじゃないか?」って思っちゃってるから。怒られるよりもウケるほうが勝つんじゃないかって、その都度勝算はあるんですけどね。言った瞬間になくなるんだけど(笑)。

田中 例えば客席に若い女の子しかいなかったとき、ものすごい下ネタを言う。これだけ長いことお笑いをやっているんだから、ウケないのは分かるはずなのに。当然ドン引きになるんですけど。

太田 まあ、女の子に下ネタ言って引かれるなんてのは、引かれたうちに入らないですよ。

──「媚びない」にも通じるのかもしれませんが、いま世の中では芸人に限らず「誠実であること」がより求められている気がします。それについてはどう感じます?

田中 僕はあまりそうは思わないです。逆に、正直に話した人がたたかれる世の中になってきたと思う。いまは揚げ足取りみたいなことが多いんじゃないかな。

──「誠実」という言葉で思い浮かべる人物は?

田中 野茂(英雄)かな。会ったこともないけど、パッと浮かぶ。ウソをつかないイメージがあります。

太田 俺は…江川(卓)。

田中 別に野球選手じゃなくていいから(笑)。ある意味正直者だけど、誠実っていうイメージか?

太田 うーん、誰だろうな…ガンジーとか(笑)。

田中 あと今年お亡くなりになりましたけど、児玉清さんも「誠実」というイメージがあります。タモリさんもそうですね。タモリさんって、あんまり自分の意見を言わない人なんですけど、たまに「これは好き」とか「あれは苦手」って言うと、「ほんとなんだな」って思う。ものすごくいろんなことを知っている人っていうのが前提としてあるから、説得力があって。

ありがたい桑田さんの表現

太田 それで言ったら俺は桑田佳祐さんかな。真っ正面から表現するっていう姿勢はいつも見習いたいなと思ってます。いろんなアーティストがいますけど、みんなが震災でビクビクしている時期に投稿サイトを使って余計あおることを発信してる奴がいて、本当にくだらないなと思ったんですよ。そういう奴と正反対のところに桑田さんはいる。『明日へのマーチ』っていう真っ直ぐな曲でヒットチャートで勝負するっていうやり方は、「まわりが止めても投稿してやる!」みたいなやり方よりも、ずっとカッコいい。しかもカップリングが『ハダカ DE 音頭』。ほんとくだらない下ネタだらけの曲で(笑)。こういう表現はありがたいなと思う。全然違うジャンルなんだけど、俺にとっては目標みたいなところがあります。おこがましいですけど。

──そういう爆笑問題さんも誠実さが買われてますよね。CMが増えているのはその表れだと思うんですが、バラエティ番組とスタンスの違いってあるんですか?

太田 やっぱりお金がね。

田中 いやいやいやいや(苦笑)。

太田 僕は例えばトヨタの撮影がある前日は、トヨタが今まで出した車の写真を眺めますけど。

田中 ウソじゃねえか! でも、バラエティもCMも、心構えは一緒。どっちも責任はありますから。

──テレビ界も環境がどんどん変わってきてますが、第一線で続けていられる理由は何でしょう。

田中 僕は正直ずっと活躍できているって感覚はないですけどね(笑)。『オレたちひょうきん族』とか『8時だョ!全員集合』みたいな国民的な人気番組はやっていないし、デビューしてから1回沈んだ時期もあったし。ただ、仕事に関しては特に太田はものすごく誠実というのは言えます。サボらないし、休まない。理由を挙げるとするなら、それですね。「これぐらいでいいか」っていう気持ちになったり、天狗になったりしてダメになっていった人は過去にいっぱいいたんでしょうけど、そういうことは太田は一切ない。僕がピン(1人)だったら、とっくに消えていると思います。満足しちゃうタイプなんで(笑)。

──もうすぐ1年も終わりますが、これからお笑いはどうなっていくと思いますか?

田中 これは全く読めないです。テレビに芸人が増えていくのは確実だと思いますが。

太田 でも、やりにくくなっていくだろうな。

田中 うん。時事ネタをやるやらないに関係なく、お笑いって社会の動きに一番敏感だから。それに、10年前にいまみたいな状況を予想なんてできてなかったし。僕らは「5分じゃ短すぎてネタなんてできないよ」って言ってた世代なんですけど、『爆笑レッドカーペット』で1分になったじゃないですか。そんなふうに世の中と一緒に変わっていくから面白いんですけど。

太田 僕はね、テレビが好きだし、なんでもネタにできるんだっていう前提でやってるんです。政治だって学問だって笑いのネタになるだろうって。そういう意味では、いろんな専門家が出てきて、お笑い芸人もいて、AV女優も政治家もいるっていう広場はテレビにしか作れないと思ってるんです。それこそがテレビのすごさだと。そういうことができる状態になったときに、やっと全部ぶっちゃけられる気がしてますね。

撮影現場で見た爆笑問題の"仕事力"

「誠実」「本音」といったイメージが浸透している爆笑問題は、それで起用されるCMも少なくない。トヨタの中古車ブランド「T-Value」(ティー・バリュー)もその1つ。撮影現場での様子は? 起用する側の思いは?

テレビ・ラジオ合わせて10本を超えるレギュラーを持ち、バラエティ界のなかでもその多忙ぶりはトップクラスの爆笑問題。昨秋から出演しているトヨタの中古車ブランド「T-Value」新CMの撮影は、スケジュールをやりくりして、9月30日の朝から行われた。

この日撮るのは2バージョン。太田が若い女性にふんする「ユーザーの叫び・女性バージョン」と、赤ちゃんにふんする「同・赤ちゃんバージョン」。田中はいずれも販売スタッフ役を担当する。前所有者の乗り方が分からないため、不安な面がある中古車市場のなかで、正直かつ明確に車の状態をユーザーに提示しているT-Valueの特徴を、もっと広く知ってもらうのが目的だ。

ヘアメイクを終え、スタジオセットに太田が入ったのは予定通りの午前10時すぎ。「いよいよ撮影開始、今日は長丁場…」と思いきや、大勢の女性に混じってのファーストカットがたった15分でOKが出た。続いては、「徹底検査し、見せる」という広告メッセージにからんだジョークとして、太田が「私も見せます!」と服を脱ぎかけるシーン。これは3テイクほどで「OK!」の声。声の抑揚、ちょっとした動きの違いなど、監督は細かいリクエストを出していたが、イメージ通りのカットがスイスイ撮れる。

11時30分、2人が司会を務めるTBSの情報番組『サンデー・ジャポン』のクルーがスタジオにやってきた。数々の記者会見における踏み込みすぎるツッコミでおなじみの「サンジャポジャーナリスト」はこの日、2人(持田謙二、小林のん)。「T-ValueのTは田中のTか」といったとぼけた質問で周囲を笑わせ撤収した。

昼休憩をはさんでの午後の撮影も想像以上の快調ぶり。CMタレントとしての爆笑問題は、すこぶる燃費がいいようだ。

【トヨタが爆笑問題を起用したワケ】

 2011年から本格スタートした爆笑問題のCMの1つにトヨタの中古車ブランド「T-Value」がある。何かと不透明な印象がつきものだった中古車市場において、徹底した透明化で業界に一石を投じているブランドだ。数ある出演者候補のなかで、爆笑問題を起用した理由は何か。トヨタマーケティングジャパンの西塚淳氏に聞いた。

「T-Value」は新しいブランドなので、本格立ち上げにあたって知名度のあるタレントさんの力を借りたかったという背景があります。さらに中古車ブランドということで、お客様の疑問に対してしっかり答える姿勢も伝えたいという思いもありました。特に今回はそれを出演者に代弁してもらうことになるので、知的で説得力を兼ね備えた人物が必要でした。そこで挙がったのが爆笑問題さんです。

ズバズバものを言う芸人さんは多いですが、その人の人間性やポリシーまで透けて見えてしまうのがいまの世の中です。爆笑問題さんは、ただ面白いだけでなく、芸に対する真剣さやこだわりの部分が見えているのも決め手になりました。

最近の消費者の傾向として、お得感や安さよりも信頼感や安心感を商品やサービスに求める方が増えています。また、CM界の流れとして、商品のよさを押しつけるタイプのCMよりも、「あなたはここから何を感じますか?」と、視聴者に委ねるCMのほうが心に響く傾向にあります。そんななかで、爆笑問題さんは「ブレない」「媚びない」というキャラクターが浸透していて、「T-Value」の真摯な姿勢を感じてもらうのにうってつけの存在でした。

今回撮影したCMでは、太田さんが女性や赤ちゃんに扮装して「中古車選びは不安で心配」というお客様の気持ちを代弁しています。太田さんと田中さんのかけあいで伝えることによって、面白さと同時に説得力を持つCMになったと思います。

個人的にもお二人の芸風はとても頼もしく拝見していました。これからもずっと「ブレない」「媚びない」姿勢を変えることなく楽しませて欲しいなと思っています。

(ライター 遠藤敏文、日経エンタテインメント! 木村尚恵)

[日経エンタテインメント!2011年12月号の記事を基に再構成]

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