ソニー銀行や市進…一様でない企業の「脱XP」戦略

Windows XPとOffice 2003のサポートが終了する2014年4月9日まで、残り3カ月を切った。パソコンを大量に抱える企業は、移行作業を急ぐ必要がある。では、国内の企業は実際にどのように「脱XP」を進めているのか。企業での事例や実践手法などを紹介する。

企業の業種や規模、置かれている事業環境、情報システムの現状などによって、Windows XPのサポート終了による影響をどう考えるかは変わってくる。また、全てのXPパソコンを移行できるとは限らない。各企業は、どのように考えて「脱XP」に取り組んでいるのか、実態を見てみよう。

担当者1人で170台を移行

高級レストランなどを手掛ける、ワイズテーブルコーポレーションは、Windows XPからWindows 7への移行を進めているさ中にある。同社は高級レストラン「XEX」やイタリアンレストラン「SALVATORE CUOMO」を運営。管理部門がある本社と、XEXなどの店舗で使用するパソコン、合計176台が脱XPの対象である。2013年11月時点で残り73台のXPパソコンを、2014年3月までに入れ替える計画だ(図1)。

図1 ワイズテーブルコーポレーションのXP移行計画の概要。24時間365日サポート業務を委託している業者にバージョンアップ作業を代行してもらっている。サポート業務が手空きな平日の深夜帯などを活用することで、コストを抑えた

ワイズテーブルの取り組みの特徴は、移行作業をネット経由で遠隔で実行する仕組みを実現し、労力やコストを抑えている点だ。同社の情報システムの専任は1人だけ。点在する店舗に設置されているパソコンを1台ずつ置き換えていくのは現実的ではない。そこで、パソコンのサポート窓口業務を委託している業者の力を借りることにした。

Windows 7パソコンを設置すると、その後のデータ移行や設定作業を、業者の担当者が遠隔で行う。パソコンにはあらかじめ、遠隔操作ソフトや設定に必要なバッチファイルなどを保存。業者の担当者が、ネットワーク経由でこれらを手順通りに実行すれば、移行が完了する仕組みだ。「サポート業務の範囲で、移行支援も実施してもらっているため、追加コストをかけずに済んでいる」と、経営企画グループの成清寛隆アシスタントマネジャーは話す。

2段階に分けて移行するソニー銀行

順調に移行している企業は、慌てず、長期的な視点で移行計画を策定している。ソニー銀行は2012年に、約1000台保有するXPパソコンのうち300台をWindows 7に移行した(図2)。移行先は、Windows 7をサーバー上で仮想マシンとして動かすシンクライアントシステムである。ノウハウを蓄積した上で、第2段階として2014年1月から3月にかけて、残り700台を移行する予定だ。

図2 ソニー銀行は、2段階に分けてWindows 7への移行を進めている。移行時のトラブルやマクロの互換性などへの対処は、第1段階のうちに済ませた
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